82.サトウキビ茎の芯側と皮側部分からの黒砂糖 2016年3月21日
(1)サトウキビ茎の芯側と皮側での分別切断
2016年3月12日にサトウキビを刈り取り(写真1)、切断して収穫ネットに入れ(写真2)、洗濯機で表面の汚れと蝋を落とした。
洗浄した茎を写真3のように芯側(1本)と皮側(4本)に切断した。
(2)分別切断した茎からの搾汁と加熱
搾汁前後の分別切断茎の状態を写真4に示す。
また、ジュースの加熱前と加熱中の状態を写真5に示す。
加熱前のジュースの色は皮側が芯側より明らかに濃い。灰汁の色も皮側は濃い深緑色であるのに対し芯側は薄い草色であった。(写真6)
(3)沈殿分離
10分煮沸したジュースを室温で放置し沈殿物を沈降させたときの様子を写真7に示す。
清澄液の色は皮側が芯側より顕著に濃い。また沈殿物の色も灰汁と同じく皮側が芯側より濃い。
写真9はバケツで9hr放置後、サイホンで上澄みと沈殿物に分離した時の状態である。
沈殿物を濾過して、乾燥したときの状態を写真10に示した。
(4)清澄液の濃縮による黒砂糖の製造
写真9および写真11に示す通り、黒砂糖の色は明らかに皮側が芯側より濃い。
サトウキビ溶解液の色も同様である。(写真11)
(5)重量バランス
重量が皮側>芯側となるのは、分別切断茎、バガス、灰汁、沈殿物である。
重量が皮側<芯側となるのはジュース、清澄ジュース、黒砂糖である。
(6)分別茎重量1を100%としたときに相対重量
相対重量が皮側>芯側となるのは、バガス、灰汁、沈殿である。
相対重量が皮側<芯側となるのは、ジュース、清澄ジュース、黒砂糖である。
(7)芯側、皮側重量比率
重量比率が皮側>芯側となるのは分別切断茎、バガス、灰汁、沈殿である。
重量比率が皮側<芯側となるのはジュース、清澄ジュース、黒砂糖である。
(8)ジュースのpHとBrixおよび黒砂糖水溶液の紫外可視吸収スペクトル
ジュースpHは芯側<皮側。ジュースBrixは芯側>皮側である。
吸光度は皮側>芯側である。
270nm付近に高いピークがある、そのピークの高さは皮側>芯側である。
このピークはポリフェノールに由来すると考えられる。
(9)おわりに
黒砂糖の色の濃さは明らかに皮側>芯側である。
その糖蜜色色素は皮に由来するものが多い言える。今後、サトウキビの皮から色素を抽出することを試みたい。
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