93. スエヒロタケが生えたサトウキビ茎培養濾液の紫外可視吸収スペクトル 2016年6月18日

 91節92節で取得した以下の4種のサンプルの紫外可視吸収スペクトルを測定した。
 
 ①水浸漬濾液(91節)
 ②液体培養濾液(92節)
 ③エタノール可溶画分(92節)
 ④エタノール不溶画分(92節)

 エタノール可溶画分と不溶画分は蒸発乾固物であるが、これを写真1の如く水に溶解した。
水不要分は濾過で除去した。
 
 
 紫外可視吸収スペクトル測定用の4種のサンプルを写真2に示した。
また、これらのサンプルのOD420を図1に比較した。

 
 

  各サンプルの紫外可視吸収スペクトルを図3に示した。



  220nmの吸光度を100%としたときの相対吸光度のスペクトルを図4に示した。
  300nm付近を境として相対吸光度の大きさには逆転現象が見られる。
  すなわち、300nm以下の相対吸光度は
  エタノール可溶画分>液体培養濾液>エタノール不溶画分>浸漬濾液 であるのに対し
  300nm以上での相対吸光度は
  浸漬濾液>エタノール不溶画分>液体培養濾液>エタノール可溶画分 の順になる。
  相対吸光度は波長に対して対数的に減少する「一般吸収」を示すが、その直線の勾配が小さいほど共役二重結合の数が多く、かつ高分子化していると推定される。
  
 

 相対吸光度スペクトルを詳細に見ると、265~290nmに肩を持つことがわかる。
 その大きさは エタノール可溶画分>エタノール不溶画分>液体培養濾液>浸漬培養濾液の順であった。
 この方はポリフェノール成分に由来しているのではないかと考えている。


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