94. スエヒロタケ培養サトウキビ分画物のメイラード反応抑制 2016年6月22日
92節および93節に記載したエタノール可溶画分と不溶画分についてMSG-グルコース系のメイラード反応への影響を検討した。
その方法を図1に示す。
この方法を設定した背景については55節、59節,62節を参照されたい。
反応時間の進行に伴う各サンプルの色変化を写真1に示した。
反応前後の紫外可視吸収スペクトルを図2に示した。
反応前後の吸光度増のスペクトルを図3にサンプルを添加しないサンプルの吸光度を100%としたときの相対吸光度増のスペクトルを図4に示した。
エタノール可溶画分と不溶画分の大きな差は長波長側において前者は吸光度を増加する方向に後者は吸光度を減少する方向に作用していることである。
MSG-グルコース系のメイラード反応で吸光度増がピークになるのは220nmと300nmである。
220nmにおいては可溶画分、不溶画分ともに吸光度は大きく減少し、300nmにおいても双方とも20~30%の減少を示している。
図5は各波長における画分添加量と相対吸光度増の関係を示したものである。
これより以下のことが言える。
①エタノール可溶画分は550nmより長波長の吸光度を増加させる。350nm~500nmの範囲では吸光度は増加も減少もない。
300nm以下では吸光度を減少させる。
②エタノール不溶画分すべての波長で吸光度を減少させる。
③220nmでは可溶画分、不溶画分ともに吸光度は大きく減少する。、
これよりエタノール不溶画分にはMSG-グルコース系のメイラード反応を抑制する作用があると考えられる。
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