97. 強制倒伏させたサトウキビ 2016年7月7日
77節の最後に記載したごとく、一部のサトウキビを刈り取らずに強制的に倒伏させてどのようになるかを観察することにした。
(1)強制倒伏の方法
強制倒伏の方法を写真1と写真2に示した。
サトウキビのトラッシュを除去した後、新茎(2015年度に成長したもの)と側枝のある旧茎(2014年度に成長したもの)を倒伏させ、重石を置いて起き上がれないようにした。
側枝のない旧株は倒伏させず、そのままにした。
新茎には緑色の紐を、旧茎には青色の紐を結んで目印とした。
(2)経過
①2016年1月4日から3月13日(写真3)
*ショウトウ部の緑色は2月12日には完全になくなった。
*その後ショウトウ部の枯れ葉はしだいに茎から脱落していった。
②2016年3月21日から5月22日
*茎から葉の脱落はさらに進む。
*4月中旬より根本に新芽が出て成長していった。
③2016年6月4日から7月2日(写真5)
*葉は完全に茎から離れ、朽ちて土に還っていく。
*茎も朽ちていく。
*一方で根本から出た新芽はどんどん成長した。
(3)倒伏させた茎に発生したスエヒロタケ(写真6)
倒伏させた全ての茎にスエヒロタケが発生した。
スエヒロタケは茎の節の部分から発生しているのがほとんどである。
(4) 倒伏させた茎からの発芽(写真7、写真8))
倒伏させた茎はスエヒロタケが感染し、腐朽していくが、その中で3本だ側枝が発芽した。
側枝が発生したのはいずれも新茎である。その茎にもスエヒロタケが発生しており、まさに生と死をかけたスエヒロタケの戦いにギリギリのところで勝ったのである。
今後、発芽した3本のサトウキビの成長、根本から生えた新芽の成長、スエヒロタケによる茎の分解の様子につき観察を続行する。
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