274. 長期保存した再生飴状黒砂糖 2020年2月2日
ガラス状や飴状の黒砂糖であっても長期保存したり乾燥と混合を繰り返せばショ糖の結晶が析出してサクサクした通常の黒砂糖になることを
第271節と第273節で述べた。
このことに気をよくした私は、長期間密閉して室温保存しておいた飴状黒砂糖を開封し乾燥と混合を繰り返し、普通の黒砂糖になるかを試みてみた。
その1は第139節に記載したカビ付き黒砂糖の再生品である。
その2は第164節に記載した凍結障害を受けた飴状黒砂糖の再生品である。
結論としてはそのどちらも普通の黒砂糖には戻らず飴状のままであった。
カビや凍結障害によって黒砂糖の組成変化(おそらくショ糖の分解)が大きい場合はもはやショ糖の析出は起こらずサクサクした黒砂糖はできないと
考えられる。
(1)カビ付き黒砂糖再生品
2017年7月4日から2020年1月25日まで写真1のように密封し、シリカゲルを入れた室温において保存したものである。
取り出した黒砂糖にはカビはまったく生えていなかった。(写真2)
その上層部を取り出して別のパットに移し食器乾燥器で乾燥しながら混合した。
しかしながら黒砂糖は飴状のままであった。(写真3)
(2)凍結障害を受けたサトウキビから調製した飴状黒砂糖再生品
2018年2月17日から2020年1月27日まで写真4のように厚いポリエチレン袋に密封して保管したものである。
開封するとNo.6Bは飴状、No.6Cは粘着性はあるもののある程度のサクサク感があった。
いずれもカビの発生はまったくなかった。
乾燥と混合を繰り返したときの様子を写真5に示す。
No.6Bは飴状のままであり、No.6Cはサクサク感はあるものの完全な通常の黒砂糖にはならなかった。
写真6ではNo.6BとNo.6Cを混合して乾燥と混合を続行したときの様子を示す。
最終的には飴状のままであった。
この混合物は開放して室内に放置しどのような変化が起こるかをみることにした。
研究日誌の目次に戻る