284.微生物コロニーの糖蜜発酵廃液脱色-5 2020年4月6日
本節は第231節の続きである。
第231節で最も脱色能の強かったコロニー1Bの軽液を約11ヶ月間窓際に放置した。
放置中、蒸発した水は水道水で補填し、重量を一定に保った。(図1)
写真1に保存前後の状態を示す。
保存再開時(2019年4月20日)には液は糖蜜色に着色しているもののほぼ透明であった。
放置中に微生物が増殖し、瓶の底に凝集物が堆積した。
濾過して濾紙上の残渣を顕微鏡で観察したところ写真2のような球状の微生物(写真上)と凝集物(写真下)
が認められた。
微生物の拡大画像を写真3に示す。
おそらくシアノバクテリアの一種であると考えられる。
もはや当初生育した1B株ではなく光合成微生物に置き換わっていた。
放置液の遠心上清の紫外可視吸収スペクトルを図2に示す。
放置により可視部の吸収は減少しているが。紫外部の吸収は増加した。
おそらく光合成微生物が光をエネルギーとして水を酸素に分解するときの酸素により色素の共役二重結合がきれて可視部の吸収が減少するものと考えられる。
紫外部の吸収増加は炭酸同化産物によるものであろう。
写真4と写真5に放置経過を示した。
放置液の濾過性は極めて悪く、1夜放置しても若干の残液が濾紙上に残った。
この残液と濾液を混合し、再度放置を開始した。
果たして時間をかければ無色透明になるであろうか。
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