322. (続々)カビ付き黒砂糖シロップの放置 2020年12月2日
本節は第207節の続きである。
写真1に2018年12月3日から2019年4月15日の経過を示した。。
写真のの左がサトウキビ新株、右がサトウキビ旧株由来の黒砂糖シロップである。
この期間は新たなカビの生育はなく、旧株由来シロップは表面のフィルムの大きさがむしろ縮小していった。
写真2に2019年4月22日から9月2日までの経過を示した。
6月までは変化は認められないが7月にはいるとカビの生育が再開され微生物フィルムは広がった。
写真3に2019年9月9日から2010年1月20日までの経過を示す。
この期間の生育はほとんどなくフィルム面積は再び縮小していった。
写真4に2020年1月27日から2020年6月1日の経過を示した。
2020年2月24日にシロップを混合した。
混合後6月1日まで外観に変化はなかった。
写真5に2020年6月8日から11月16日までの経過を示した。
6月中旬から表面にカビが生育し始め1ヶ月で表面を覆いつくした。
秋になると生育は停止し、フィルム面積は縮小していった。
今回の放置開始時に栄養豊富なエビオス錠を表面に置き、エビオス錠の周囲でカビの生育が増強されるかどうかを見た。
写真6の囲いをしたエビオス錠の経過を写真7に示した。
エビオス錠は6月末までは変化が無く、7月にはいってから急速にカビに覆われていった。
カビがエビオス錠の周りで生育するのはシロップ全体の生育と同時期であり、エビオス錠の栄養原がカビの生育開始時期を早めることはなかった。
カビが生育するのは従来述べてきたとおり夏になって湿度が上がることにより、シロップ表面の水分が上昇するからであり、それが無い限り
生育は起こらないと言える。
図1に室温変化を示した。
図2と図3にそれぞれ新株シロップと旧株シロップの重量変化を示した。
夏になると水分を吸収して重量が増加し、カビが生育するのは完全にこの時期と一致している。
図2,図3より毎期に極小になる重量を求め、2016年8月24日の極小重量を100%としたときの相対極小重量の変化を
図4に示した。
2020年11月2日現在相対極小重量は70%にまで低下している。
重量の減少は生育および維持に必要なエネルギーを得るためシロップ中の糖を水と炭酸ガスに返還して得ているためである。
この放置実験は今後も継続し、相対重量がどこまで減少するのか。またそのときの外観はどのように
なっているのかを観察する。
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