415. バガス置き場残渣を添加した糖蜜発酵廃液の脱色1 2023年1月6日
. 第372節で記載したバガス置き場から採取したバガス残渣のサンプルを糖蜜発酵廃液に添加して室内に放置した。
バガス残渣の中に糖蜜色素を分解する微生物がいるはずだと考えたからである。
糖蜜発酵廃液は糖蜜を原料にして酵母を培養し、酵母を除去した軽液で固形分濃度を5g/100mlに調整したものである。
その経過を写真1に示した。
私放置後の早い時期に脱色効果のあるサンプルが出てくることを期待したが、その期待ははずれ肉眼ではっきり分かるほど
の脱色は認められなかった。
放置中の蒸発水分は水道水の添加により補填した。
水添加前の重量経過を図1に水添加後の重量経過を図2に、累積水添加量を図3に示した。
写真2に放置液の色の経過を、図4に白色度の経過を示した。
白色度は(R+G+B)/(255*3)で計算した。
図4によると10月ごろから白色度の明瞭な増加が認められた。
写真1では8月末から、液境界の瓶内壁が緑色になっていることから、あるいはシアノバクテリアが脱色に寄与いているのかもしれない。
表1に各サンプルの推定相対深さ、累積水添加量、2022年9月-11月平均白色度、2022年11月28日
の遠心上清のOD420nm(10倍希釈)の一覧を示した。
図5は推定相対深さと累積水添加量のプロットである。
サンプル位置が深くなるにつれ、水添加量(放置中の蒸発量)は小さくなる傾向にあった。
図6は推定相対深さと白色度のプロットである。
相対深さ60%で最も白色度が高く、次いで相対深さ90%であった。
図7は推定相対深さとOD420nmのプロットである。
OD420nmが最も低くなったのは相対深さ50%のサンプルであった。
図8は白色度とOD420nmのプロットである。
両者には負の相関がなければならないが、すべてのデータが一つの線にのることはなく
無理やり3クラスに層別すれば負の相関となった。
図9は層別した系での推定相対深さとOD420nmの再プロットである。
白色度よりOD420nmの方が信頼性が高いので、相対深さ50%付近のサンプルには
注目したい。
今後はOD420nmを測定する頻度を上げて、室内放置を継続する。
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