448. シアノバクテリアを含む金柑残渣洗浄水の放置 2023年11月17日
 本節は第411節の続きである。
 すなわち、皮を除去した金柑を屋外に長期間放置すると果肉は消失し、種と繁殖したシアノバクテリアが残った。
 この残渣を水で8回洗浄したときの洗浄水(No1~No.8)を写真1のようにガラス製のサンプル瓶にいれて室内の窓際に放置した。
 栓は締めたまま、放置中に開けることはなかった。
 放置期間は約1年である。
 ほぼ密封状態であるのでシアノバクテリアは死滅してしまうのではないかと考えたが、実際はバイオフロックはむしろ大きくなったように見える。
 



 表1に放置開始時と終了時の外観と色調(RGB)を比較した。
 最初分散していたシアノバクテリアは粘性にあるフロックを形成していた。
 細胞を保護する粘性物質を生成していたと考えられる。
 当初緑色をしていたが、放置終了時にNo.6,No.,7,No8は緑色を消失していた。(図1)
 洗浄回数が多くなるにつれ栄養分が少なくなったためと考えられる。

  放置終了時のバイオフロックは一塊になりピンセットで容易に摘まみだすことができた。
 その外観を写真2に示した。



 図2は湿バイオフロックの重量である。



 写真3.写真4は放置終了時のバイオフロックの顕微鏡画像である。
 いずれも細長い糸状細胞が主体であった。
 ただし、No.1には球状細胞も存在していた。



 写真5はサンプルNo.1の顕微鏡画像を比較したものである。
 放置開始時は螺旋状細胞が多かったが、終了時はその残骸らしきものは見られたが、主体は糸状細胞と球状細胞になっていた。

 それにしてもシアノバクテリアの耐久力には恐れ入るばかりである。

研究日誌の目次に戻る