447. 雑草Xの花と種 2022年1月17日

 雑草は夏から秋にかけてサトウキビ畑の中や近くで旺盛に生育する。
第252節では雑草Xはイズハハコグサ属の植物ではないかと推測したが、葉の形状からはその属の代表的な種であるオオアレチノギクともヒメムカシヨモギとも
異なっていた。
研究日誌第367節では雑草Xをオオアレチノギクに極めて近い種として、一旦オオアレチノギクと表記した。
この雑草は除草しなかったサトウキビ畑では蔓植物(50.5%)に次いで多く生育した。(31.4%)
 それでは、雑草Xはほんとうにオオアレチノギクの近縁種なのだろうか?
これを確認するために雑草Xが花を咲かせ、種になるまでの状態を記録することにした。
 雑草Xは極めて邪魔なので花が咲く以前に除草するのが常であったが、垂直に置いた土管に生えてきたものをそのまま観察することにしたのである。
 その経過を写真1に示した。




 写真2,3は雑草Xの花の変化である。



 写真4,5,6,7は雑草Xの花から種への変化である。






 写真8,9は雑草Xの種の変化である。




   写真10は黄色の花に蝶が止まって蜜を吸っているのどかな風景である。


 写真11,12,13には花と種の部分を拡大してその変化を示した。





 この種は衣服等に付着しやすく、いわゆる「ひっつき虫」であることがわかった。
 オオアレチノギクにはこのような種はできない。

 写真14に雑草Xに似た花と種の画像を比較した。
 これより雑草Xはオオアレチノギクではなくコセンダングサであると言える。



 写真15は観察を終わり抜き取った雑草Xである。
 夏と秋にはあれほど緑色をしていた雑草Xも冬になって種を残すと糖蜜色になって枯れてゆく。
 

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