52.茶色(糖蜜色)のイメージ  2015年3月3日

 カラーコンサルタントの高坂美紀氏はその著書で色彩の深層心理について述べており、「何がその色を好きにさせるのか?」と言う質問に対する答えとそて表1のような言葉を挙げている。
私はこれらの言葉を表1の如く分類してみた。
膨張(+)とは活発にアクションを起こすこと、安定(±)とは現状維持、縮小(-)は消極的でどちらかというと逃避的な状態を示している。


 

 各色について膨張、安定、縮小の出現比率をまとめたのが表2である。
表2には各色の色見本とそのRGBT値およびR%,G%,B%を同時に示してある。

 
  表2の値をグラフ化したのが図1、図2、図3である。
  茶色は黒、赤に続き3番目にT値が小さい暗い色である。(図1)
  茶色はR,G,Bのすべての光の3原色を含みその比率はR>G>Bとなっており、これは茶色の特徴である。(図2)
  茶色は安定を示す言葉60%と膨張を示す言葉40%からなり、縮小を示す言葉はまったく含まれない.(図3) 

 

 図4に色の膨張、安定、縮小比率とRGBの相関を見てみた。
 そうすると膨張比率の大きい色はRと正の相関があり、G,Bとは弱い負の相関が認められた。
安定比率の大きい色はGと弱い正の相関が、Rと弱い負の相関があった。
縮小比率の高い色はBと正の相関があった。


 
   図4で求めた相関係数を図5で比較した。

 
 膨張の主たる色要素はR(赤)であり、安定はG(緑)、縮小はB(青)である。
茶色は緑と白についで安定の比率が高く、膨張の比率もそこそこあり、縮小の比率はまったくないところから、
[安定をいやいやではなく喜んで受けていれている人」が好む色ではないかと考えられる。
茶色はオレンジを暗くしていったときにできる色であるので、オレンジ色の「明るさへのあこがれ」も含んでいるだろう。
一方でオレンジには「嫌われたくない強い思い」や「孤独に対する恐れ」などの縮小因子も持っている。
茶色はオレンジのこれらの縮小因子を超越した安定の色だと思う。


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