100. 黒砂糖のカビ  2016年8月16日

  黒砂糖も糖蜜と同じく微生物が増殖するのに必要な栄養源を含んでいるので、水分が多くなり、温度が適温になるとカビが生える。
私が作った黒砂糖も夏になるとカビが生えるものがあった。(写真1)

 
  2016年の2月から4月に作った黒砂糖をプラスチック袋に仮包装(輪ゴムで縛るだけ)したものを室温で保存し、これを4月25日に小袋に包装して室温に保存した。
4月25日の時点ではすべての黒砂糖にカビの発生は認められなかった。しかし、それから3ヶ月後の7月27日に観察すると黒砂糖の表面にカビが有るモノとものと無いものがあった。
表1は各バッチの黒砂糖の製造経過とカビ有り頻度を示したものである。


 カビ有り頻度が高いのは製造直後の仮包装のときの気象条件が大きく影響していることがわかった。
 すなわち、仮包装時に晴れで湿度が低い場合はカビ有り頻度が高くく、仮包装時が曇りで湿度が高い場合はカビ有り頻度が高かった。(図1)

 

 仮包装前に食器乾燥機で黒砂糖を乾燥しているのだが、包装時にすぐに吸湿してしまうものと考えられる。
 7月27日の時点でカビが発生がなかった黒砂糖については、シリカゲルを封入した。(写真2)
 これで、室温保存を続行し、カビの発生がおこらないことを確認した上で、来年度は仮包装時点でシリカゲルの封入を実施することにしたい。

 


 以下の写真は2013年末に製造した黒砂糖にカビが発生していることを2014年8月3日に気づき、それをシャーレ(蓋あり)に入れて室温(延岡市)に放置したときの経過である。

(1)写真3:カビのコロニーが大きくなり、黒砂糖が浸食されて孔が深くなっていく。

 

(2)写真4: コロニーはさらに拡大し、大きなコロニーのまわりに 10個以上の小さなコロニーができる。

 

(3)写真5:冬から夏にかけての7ヶ月間で外見上の変化は認められない。

 

(4)写真6:大きなコロニーの一部が消えてゆく。菌糸の溶菌か。

  

(5)写真7: 黒砂糖の一部が溶融を開始し、シャーレ全体に広がってゆく。溶融した黒砂糖に新たなカビのコロニーが形成されてゆく。

 
 この観察については、これからも継続してゆく。

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