306. 第3サトウキビ畑のサトウキビジュースの総ポリフェノール その3 2020年8月14日

  本節は第286節の続きである。
 2020年4月以後にサンプリングして凍結保存しておいたサトウキビの茎を搾汁し、総ポリフェノール(TPP)等の測定を行った。
 写真1は凍結保存しておいた茎を冷蔵庫に24hr置いて解凍し、それを搾汁したときの状態である。




 生ジュース10mlをガラス瓶にいれホットプレートで1分間加熱し凝集した沈殿を濾過して清澄ジュースを得た。
その時の状態を過去のデータと比較して写真2に示した。



 図1には生ジュースと清澄ジュースの紫外可視吸収スペクトルを示した。
 加熱による蒸発量は補正してある。
  

 図2に生ジュースと清澄ジュース差のスペクトルを示した。
 この差異は濁度を表している。

   

 ①生ジュースのBrixは2020年5月より低下してきた。(図3)
  側枝や蘖の生長のために蓄積したスクロースが消費されていると考えられる。
 ②生ジュースのpHも2020年5月より低下してきた。(図4)
  スクロースが分解され有機酸が生成しているものと考えられる。
   

 ③生ジュースのTPP量は2020年3月以後微増している。(図5)
  Brixあたりに換算したTPP量はBrixの低下により顕著に増加した。(図6
    
 ④清澄ジュースのODは増加している。(図7)
 ⑤生ジュースの濁度は5月がピークになり、その後低下した。(図8)
   

 この実験は2020年8月、9月、10月、11月とさらに4ヶ月継続する。

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