308. 水に挿したサトウキビの側枝2 2020年8月19日

 第210節でサトウキビの側枝を水に挿して成長するかどうかを見る1回目の実験を行った。
そのときは空気中にある葉はすぐに枯れてしまい、水中の茎は枯れはしなかったものの明確な根の発達もなく「成長はしない」
という結論を得た。
 本節ではもう一度同じ実験を行ったときの状況を記す。
使用した側枝は1回目と同じサトウキビの株を剪定したときに採れたものである。(写真1)
 水に挿して放置したときの経過を写真2と3に示した。
今回は空気中部分も枯れることなく初夏には新しい葉も出てきた。
 特に水中の根の発達は顕著であった。(写真4)









 

 写真4に成長した側枝の全体を示した。
 放置中、特に肥料は与えていないが自然にバケツにはいってきた枯葉などが分解して養分になったようである。
 バケツ内の水はシアノバクテリア等が繁殖して緑色になっていた。
    

 1回目は成長せず2回目は成長した理由を考えてみた。
 1回目は11月から水挿し試験を開始し、2回目は9月から水挿し試験を開始したが、そのときの気温に大きな差があった。(表1,図1)

  

   

 図2に水挿し開始後4ヶ月間の平均気温を比較してみた。
 1回目は7.8℃であるのに対し2回目は17.5℃と実に10℃もの開きがある。
 やはりサトウキビの成長には温度が最も重要である。
 2回目の冬は1回目に比較して暖冬であったこともまちがいなく効いていると思う。


   

 
 十分に根の発達した側枝は写真6のように水槽に入れて水耕栽培を開始した。
 水槽の水はバケツのものを約30L移送した。
 水耕栽培では水の蒸発分は水道水を添加し、かつ適宜肥料として微粉ハイポネックス
(6.6-6-19)を補うことにした。
 さて、水耕栽培のサトウキビはジュースを搾れるほどに成長するだろうか?
 
  

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