59. ヒイラギの葉の変色 2015年4月14日
ヒイラギは古くから邪気の侵入を防ぐと考えられ庭木として植えることが多い。
私が研究室として使用している母の家にもヒイラギがあるのだが、葉の棘がいやなので伐って欲しいと頼まれた。(写真1)
多くの葉がついた部分だけを伐り,幹は残したのだが、この葉の部分は冬だというのに青々としていて実に立派である。
このまま何もしないのは惜しいので屋外に放置し、葉がどのように枯れていくかを観察することにした。
その変化を写真2に示す。
さらに葉のみに着目してまとめたのが写真3である。
その葉のRGB変化およびT値(R+G+B)を示すと図1のようになった。
日数経過とともにR,G,Bは最初ゆっくりと増加し明るい緑色になっていくが、3月20日ごろ(放置後約1ヶ月経過)にRの増加が大きくなり、RとGが逆転し糖蜜色を呈するようになる。
図2はR%、G%、B%の経過を示す。それぞれR,G,BのT対する比率である。
これによれば、R%は経時的に増加、G%は減少し、放置約1ヶ月でR%とG%の大きさが逆転した。
B%はほぼ一定であった。
G%>R%である期間を第1期、 G%とR%が逆転しつつある期間を第2期、R%>G%で安定した時期を第3期としてその期間の平均RGBを図3に示した。
第3期の色見本はヒトの皮膚色に似ていたので、参考のために日本人女性の皮膚色と比較してみた。
両者は良く似ていることが分かる。
ヒイラギの葉のみならず、サトウキビの葉を放置したときにも気づいたのだが、放置して緑色を失った葉はヒトの皮膚色によく似ている。
伐ってからまもなく2ヶ月になろうとしているが、幹には新芽が出てきた。(写真4)
幹の切断面は2ヶ月間の風雨を受けて写真5のように変色した。
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