459. 成長した竹の伐採と計測 2022年4月19日
第419節では研究室敷地に生えた筍が大きく成長するまでの経過を記載した。(2021年4月18日~7月7日)
その後の竹の経過を写真1と写真2に示した。
夏から秋にかけては緑の葉をいっぱいつけて、光合成をし栄養分を地下茎に蓄える。
冬から春にかけては葉は老化して黄色みを帯び、落葉する。
そして新しい葉を出す準備をする。
敷地に生えた筍を見つけてからほぼ1年が経過したところで、成長した竹を伐採し、その高さや部位の重量を計測することにした。
写真3は伐採の日の朝の状態、写真4は伐採直前の状態である。
伐採の様子を写真5に示した。
1回目の切断は下から約1mのところで行い、上部を倒した。2回目に残った竹を根本から切断した。
竹の部位の名称については文献1の引用図によった。
伐採した竹は写真6に示すように切断した。
また写真7のように枝葉と竹稈を分離した。
計測したのは以下の項目である。
①節間の長さ
②節間切断面の直径(楕円形の場合は長径と短径の平均値)
③切断部位の重量(枝葉と竹稈を分離)
写真8に頂部先端の状態を示した。
表1に伐採した竹の計測結果を示した。
全長〈高さ)は約12m,竹稈総重量18.6kg、枝葉総重量6.3kg, 全体重量は24.9kgであった。
図1に高さと節間長さの県警を示した。
節間は底部と頂部で短くなる3m~9mで長かった。
最も長くなったのは高さ6m、すなわち中間部で約25cmであった。
図2に高さと切断面の平均直径の関係を示した。
見事に直線的に減少している。美しい。
図3に高さと累積重量の関係を示した。
高さ4m付近までは枝葉はほとんどなく、それより高いところで枝葉が増加した。
表2に切断部位の竹稈部分と枝葉部分の重量及び重量比を示した。
図4に切断部位の重量を比較した。
図5に切断部位の竹稈と枝葉の重量比率を示した。
全長を100%としたときの切断部位の相対累積高さを図6に示した。
図7は相対累積高さと枝葉重量比の関係である。
相対累積高さ30%までは枝葉重量比は0%で、相対累積高さ60%付近で50%に達する。
相対累積高さ80%以上で75%~85%を占める。
竹稈切断部分の体積を表3のように求め、比重を計算した。
切断部位の体積と重量を図8に比重を図9に示した。
図10に累積高さと累積体積および累積重量の関係を示した。
図11に累積高さと累積比重の関係を示した。
最終的な累積比重は約0.43(g/cm3)であった。
図12に相対累積高さと切断部比重の関係を示した。
相対累積高さ80%以上で空間部が比率が減少し、比重は急激に上昇した。
竹材の比重を写真9のように測定したところ2.12(g/cm3)であった。
竹は背が高く嵩も大きいのに重量が小さいのは、当然であるが竹稈の大きな空洞による。
しなやかな竹稈を高く伸ばし、上部にアンテナのように葉を茂らすという素晴らしい生存戦略である。
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