499.ブドウ皮インキュベーション沪液の放置 2022年11月10日
第418節で栄養源を添加したブドウ皮をインキュベーションして沪液を取得し、その紫外可視吸収スペクトルを測定した。
本節では余った沪液を室内に放置し色変化を観察した。
写真1に放置開始時と終了時の状態を示した。
蓋は空気が入るように緩く締めていたので放置中の蒸発により液面は低下している。
また濃縮が起こっているにもかかわらず放置中に色度は低下していた。
写真2に放置経過を示した。
写真2から月上旬(写真2の日付に黄色で網掛した)サンプルを選び写真3から白色度を計算し、
図1に示した。
白色度=(R+G+B)/(255*3) (%) である。
白色度は最初低下したが、寒くなるころから上昇した。
色素物質が混入した微生物とともに凝集沈澱しているように見えた。
図2に放置終了時の遠心上清の紫外可視吸収スペクトルを示した。
スペクトルの形状を比較するために、210nmの吸光度を100%とした相対吸光度を求め図3に示した。
270nm付近で相対吸光度に大きな違いがでていることが分かる。
図4には放置前の吸光度を100%としたときの放置後の相対吸光度のスペクトルを示した。
図5は放置前に対する放置後のOD420nmの比率を比較した。
原液はOD420nmは増加、無添加インキュベーションはほぼ同じ、栄養源を添加してインキュベーションした
ものは半分に減少していた。
図6はOD270nm/OD210nmの比率を比較したものである。
栄養源を添加してインキュベーションしたものはOD270nmの比率が高かった。
図7は図6の放置前に対するOD420nm比率と図5のOD270nm/OD210nmに負の相関があることを
示したものである。
現時点でこの関係の意味を説明することはできないが、今後の課題として留意しておきたい。
放置した沪液の色は最初から最後まで糖蜜色であった。
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