117. 黒砂糖生産時間の短縮 2017年1月3日
(1)はじめに
私のサトウキビ畑は趣味の範囲の小さいものであるが、それでもサトウキビから黒砂糖をつくるには結構時間がかかる。
そのためにサトウキビ収穫の季節になると、これに追われてそれ以外の研究が止まってしまう。
そこで、111節に記載したようにサトウキビジュース濃縮能力の増強をはかり、黒砂糖生産時間を短縮することにした。
(2) 従来法と新法の比較 (表1)
濃縮能力増強が主たる改善点であるが、それ以外に以下の点が従来との大きな違いである。
①従来、茎の洗浄は収穫ネット袋に茎を入れて、洗濯機で洗浄していたのであるが(80節)、茎のネット袋への出し入れに時間がかかる。
新法ではネット袋の使用を止め、直接茎を洗濯機に入れることにした。
この場合、切断茎の長さを20cmから40cmに上げることができ、切断時間も短縮することができる。
②従来法では沈降した沈殿物を濾過してジュースを回収していた。私の実験室には大きな濾過機がないために、これに時間がかかっていた。
新法では収率より時間短縮を優先し、沈殿は濾過せず廃棄することにした。
(3)作業経過写真 (写真1,2,3)
(4) 時間あたりの黒砂糖の生産性 (表2, 図1)
煮沸、濃縮・冷却の生産性は2.5倍以上に上げることができた。
全体としての生産性は2.2倍であった。
(5) 黒砂糖生産量と収率の比較(表3,図2)
ジュースの生産量は2倍に上がったが、黒砂糖の生産量は1.86倍に留まった。
これは沈殿部を濾過せず、廃棄したためである。
(6) まとめ
新法で時間あたりの生産性が2.2倍に上がったことに一応満足している。
次の課題は沈殿部の濾過を短時間に実施できる濾過機の検討である。
尚、収穫No.3の過程を動画に記録したので下記を参照されたい。
ワンダムおじさんの黒砂糖づくり
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