121. 2017年黒砂糖No.5-沈降残渣処理 2017年2月19日
(1)はじめに
本年度 No.5の黒砂糖つくりでは加熱ジュースの自然沈降で沈降した残渣につき以下の二つの処理を検討した。
①沈降残渣の濾過には時間がかかるので、残渣液を再加熱した場合、再度自然沈降で分離できるかどうか。
②残渣液を濃縮したら黒砂糖ができるかどうか。
(2)通常の黒砂糖つくりの経過
写真1~写真10に示す通り、通常どおり黒砂糖をつくった。
No.5の正味作業時間あたりの生産性も表1に示す如く、No.1~No.4とほぼ同じであった。
(3)沈降残渣処理
①清澄化前後のサトウキビジュースの外観
写真11に示す如く、自然沈降上澄(サイホン後)は濁度が大きく減少している。
加熱→灰汁取り→沈降により濁度物質が除去されている。
②沈降残渣液の再加熱、再沈降
沈降残渣液を5分間フッとさせ、浮いてくる灰汁を除去した。(写真12)
この液を23hr放置したが、凝集は見られた物の軽液と重液に分離することはできなかった。(写真13)
③沈降残渣液からの黒砂糖つくり
清澄ジュースから黒砂糖をつくった使ったボールに付着している黒砂糖を写真13の23hr放置液に溶解し、
通常どおりの方法で濃縮冷却物をパットに広げた。(写真14)
パットに広げた後、1hr後にナイフで切り込みを入れようとしたが、硬くてできなかった。
一夜放置後、ガラス状に固まり、千枚通しで容易にたたき割ることができた。
ガラス状の黒砂糖片は、食器乾燥機で乾燥すると飴状になった。
沈降残渣入り黒砂糖を食べたときの風味は通常の黒砂糖とは異なっており、
甘い香り(糖蜜臭)はなく、甘味の中にわずかに草のような味を感じた。
黒砂糖飴として食べられないことはないが、通常の黒砂糖とは別物である。
黒砂糖の収率に沈降残渣入り黒砂糖を含めれば表2に示す如く、ほぼ100%となった。
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