131. 雀の遺体 2017年4月18日

 雀がベランダで死んでいた。(写真1)原因はわからない。

 
 この遺体をさらに入れてベランダに放置し、死後の変化を観察した。
ベランダには屋根があり、弱い雨なら雨水は入らないが、強い雨や強風をともなった場合には雨水が入ってくる。

(1)死後最初の5日間(写真2)

 次第に腹部が膨張し、5日目に蛆が発生した。
死後すぐにハエがやってきて遺体に卵を産み付けたと考えられる。


(2)死後6日から19日(写真3)
 遺体の外観に大きな変化はない。蛆は天日乾燥されて黒くなって死んでしまう。



(3)死後21日~31日(写真4)

 雨に濡れ、褐色の液が皿にたまっていく。胸の白い毛も褐色に染まっていく。


(4)死後34日~46日(写真5)
 9月20日に台風16号が襲来し、皿は雨水でいっぱいになる。飛んできた笹の葉を取り除く。
 遺体は完全に水に浸かった。


(5)死後48日~55日(写真6)
 雨水が蒸発してゆく。雨水で微生物による遺体の分解と分解成分の雨水への侵出が起こったと考えられる。
 遺体の大きさは雨水に浸かる前と比較し著しく減少した。


(6)死後63日~82日(写真7)

 遺体の表面にカビが繁殖した。


(7)死後83日~99日(写真8)
 カビも消失し、残っているのは羽と骨だけのように見える。


(8)死後102~121日(写真9)
 強風で紅葉した葉が飛んできて遺体を覆った。(12月17日)

(9)死後121日~166日(写真10)
 冬になった。低温と乾燥で遺体は縮んでいるように見える。




(10)死後174日~244日
  外見上の大きな変化は見られなくなった。



 死後244日目(2017年4月9日)に遺体の放置を停止して、遺骸を水で洗浄した。
写真12に示すように残っているのは骨と大きな羽だけである。


 洗浄した遺骸に土を被せ、この状態で残った骨や羽がどうなるかを観察することにした。(写真13)
ちょうどベランダの近くに桜の木があり、散った桜の花びらが皿の中に入ってきた。
雀の冥福を祈っているようだ。



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