146カビなし.飴状黒砂糖の再生 2017年8月28日

 第139節に記載したようにカビ付き黒砂糖はブロック状の一部が飴状に変化しており、再生した黒砂糖も飴状となった。
カビが発生しなかった黒砂糖についても保存中に一部が飴状になるものがある。
ここではカビなし飴状黒砂糖の再生を行った。

 写真1の黒砂糖は2016年1月~4月に製造したもののうち、カビは発生しなかったが一部が飴状になったものである。
この黒砂糖をガスコンロで加熱するとわずか2分で融解した。
 
  融解した黒砂糖は写真2に示すようにブロック状の黒砂糖として再生することができた。



 写真3は第82節に記載した茎の芯側と皮側から搾ったジュースから調製した黒砂糖を室温で保存したものである。
 調製直後はブロック状であったが、保存中に飴状となった。
 保存途中でシリカゲルを入れ、カビの発生は免れている。

 
  芯側、皮側黒砂糖ともガスコンロ加熱により溶融し(写真5)、冷却後ステンレス容器に入れて成型した。(写真5)
 皮側の黒砂糖はブロック状に再生できたが、芯側の黒砂糖は飴状にしかならなかった。(写真5)
 
 芯側黒砂糖についてブロック状黒砂糖を再生すべく3回挑戦したが、できなかった。(写真6)

 
 飴状黒砂糖は図1に示すアモルファス状態に相当する。
 結晶からアモルファスへの転位をガラス転位と言い、スクロースのガラス転位温度は図2に示すように相対湿度により大きく影響される。

 

 
 相対湿度が高くなるとゲラス転位温度は低下し、相対湿度30%では20~30℃である。
 従って飴状にしないためには夏場は湿度が上がらない状態で保管しなければならない。
 芯側黒砂糖が再生しても飴状にしかならない理由は不明であるが、皮側黒砂糖がブロック状に再生できることから、
 何らかの共存物質の差ではないかと考えられる。
 
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