158. 白砂糖水溶液の200℃蒸発乾固 2018年1月23日
(1)はじめに
前節で加熱サトウキビジュースを200℃のホットプレートで蒸発乾固させたときの加熱残分水溶液の紫外可視吸収スペクトルについて記載した。
ここでは白砂糖水溶液を同様に蒸発乾固させたときの紫外可視吸収スペクトルについて調べた。
(2)方法
写真1の白砂糖を加熱サトウキビジュースと同じ固形分濃度の22wt%になるよう水に溶解した。
溶解液の5mlをステンレス小皿にいれて、200℃のホットプレートで加熱し、加熱残分を取得した。
各小皿の加熱残分を水で溶解して50mlとし、さらに50倍希釈して紫外可視吸収スペクトルを測定した。
(3)加熱経過
写真2に経過写真を示した。
サトウキビジュースと異なり、14分の加熱では不溶性のコゲは生成せず、溶融状態を保っていた。
(4)加熱残分の水溶解
室温まで冷却した加熱残分の状態を写真3にその水溶解液を写真4に示した。
(5)紫外可視吸収スペクトル
図1および図2に示すように白砂糖水溶液を加熱するとサトウキビジュースと同じく280nmと220nmの吸収が増加した。
(6)サトウキビジュースと白砂糖水溶液の比較
①加熱残分の低下速度はサトウキビジュース>白砂糖水溶液である。
サトウキビ水溶液の加熱残分は23w%からなかなか低下しない。(図3)
②すべてのOD増分はサトウキビジュース>白砂糖水溶液であった。(図4,5,6,7)
加熱残分とOD280nm増分の関係を図8,図9に示した。
急激なOD増加がおこるにはサトウキビジュース、白砂糖水溶液とも加熱残渣が22~24wt%以下になったところである。
(7)まとめ
加熱による280nmと220nmの吸収の上昇はスクロースそのものの変性によるものである。
280nmは芳香環の形成、220nmはカルボニル基の増加によるものと考えられる。
白砂糖水溶液よりサトウキビジュースの方が圧倒的に吸収の増加は大きいことから、サトウキビジュースにはスクロースの変性を促進する物質が存在している。
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