189.サトウキビシロップの菌糸塊 2018年8月16日
今年の4月14日に黒砂糖をつくる以外の目的でサトウキビジュースを調整し、余った清澄ジュースをBrixで37-38%に濃縮してシロップを得た。
これをウイスキーの空き瓶にいれて写真1のように室温で保存した。
その後、瓶Bにだけシロップ表面にカビが発生し4ヶ月後の8月14日には大きな菌糸塊を形成した。
瓶A、C、Dはウイスキーそのものの金属製の蓋をしたのに対し、瓶Bだけは別のプラスチック製の蓋をした。
ウイスキー占用の蓋でなければ僅かに空気入り込み、好気性のカビが増殖したものと考えられる。
4ヶ月の放置で濁度物質が底に沈み、シロップはより清澄化されていた。
ぴったり合った蓋の重要性を改めて認識した次第である。
菌糸塊は写真2のように瓶を逆さにするだけで容易に分離できた。
菌糸塊を分離したシロップは菌糸塊のないシロップに対しBrix、pHともに低下していた。(図1)
写真3の④はスパーテルで掻きだして回収した菌糸塊である。
分離液はウイスキー瓶そのものの蓋を使用し⑤のように再保存した。
これで菌糸の増殖がなければ、やはり蓋の密封性が原因であると言える。
写真4は分離液と菌糸塊を再混合して放置したものである。
④のようにわずか2日間で表面は白い菌糸で覆われた。
この放置実験を続行し、シロップと菌糸体重量がどのように変化するかを観察する。
写真5は菌糸塊の顕微鏡写真である。菌糸が絡まって厚いフィルムをつくり、球状の細胞が混在している。(別の酵母かカビの胞子かカビの形態変化かどうかは不明))
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