208.微生物コロニーの糖蜜発酵廃液脱色3  2018年12月7日

 本節は第206節の続きである。
 すなわち培養5日にグルコースを添加し、これによりさらに脱色が進むかどうかを検討した。

 写真1にグルコース添加後の培養経過を示す。

 図1に温度変化を図2にpH変化を示した。
 グルコース添加によりpHは低下したが、8日目から再度上昇に転じた。
 図3に累積重量ロスの経過を示した。1Bの重量ロスが大きいのは培養6日~7日に異常発泡して液が溢流したためである。

 

 図4にグルコース添加後の相対ODの変化を示す。
 ODの低下が認められたのは1B(コロニー7-1、エビオス添加)のみであった。

 図5に培養5日と12日の吸光度差スペクトルを示す。
 明らかに1Bだけに脱色効果が認められた。

 

 培養12日目の培養液に対する湿残渣比率を図6に示した。
 青は未洗浄時の比率、赤は1回水で洗浄したときの比率である。
 グルコース添加後も脱色効果が認められた1Bは他の条件とは様相が違っている。
 1Bは水洗により重量が減少したが、それ以外の条件では水洗により増加した。
 水洗前の湿残渣比率は1Bが最も大きく、水洗後の比率は1Bが最も小さかった。
 
 

 写真2に12日目の遠心残渣(菌体)を20vol%のグリセリンに懸濁したときの画像とRGBを示した。
 1BのRGBが最も低く暗色度が高かった。


 12日目の遠心分離残渣の顕微鏡画像を写真3に示した。
 微生物の種類はグルコース添加前とは異なっており、かつ条件によっても異なっていた。
 No.1-Bに含まれるいずれかの微生物がグルコースの添加でさらなる脱色作用を発揮したものと考えられる。
 グリセリン懸濁液は-20℃で凍結保存した。
 

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