239. サトウキビの芽の伸長3 2019年7月7日
本節は第234節の続きで写真1は全長100cmから200cmまでの生長経過を示したものである。
図1に示すように、全長は経過日数に対してほぼ直線的に伸長した。
図2に示すように、昼間の伸長速度は大きくなったり小さくなったりする周期があるようである。
一方夜間の伸長速度は経過日数にともなって増加していく傾向にある。
全長が2mに達しもはや芽とは言えないし、全長の測定も通常のメジャーでは困難であるので、これをもって測定は中止する。
写真2は発芽直後の4月3日から2mまで全長が伸びた7月1日までのサトウキビをおよそ10日ごとに並べたものである。
そして上から下へ1~10の部分に分け、そのRGBを測定し、表1にその結果を示した。
図3は各部分の色見本の変化を示した物である。
芽生え直後の植物体は糖蜜色~暗い紫色をしているが、生長とともに緑色の葉が伸び、上部から緑色が広がっていく。
しかし底部は紫色が残ったままである。
図4には高さ方向の各部分のRGBを撮影月日ごとに図示したものである。
生長にともないGがRとBに対して優位になっていくが、下部(No.9、No.10)は最後までRとBがGに対して優勢である。
図5には各部分の平均値のRGBを図6には同じくそのRGB%の変化を示した。
最初はRが圧倒的に大きいが、生長に伴いGが最も大きくなっていく。Bは常にGより圧倒的に小さく、しだいにRがBに近づいてくる。
紫色はアントシアニン色素によるものと考えられ、芽生えたばかりの植物体を紫外線や活性酸素から保護していると考えられる。
さらなる生長をするためにはクロロフィルを含有した緑色の葉をアンテナのように広げて太陽エネルギーを受け取るようになっていく。
研究日誌の目次に戻る