249. 光合成微生物フロックに及ぼす磁気の影響 2019年8月28日

 糖蜜色コレクション第277節「アジサイの花をさした水色の変化」の水をステンレスバットに入れてサランラップで覆って室内に放置した。
写真1は第277節写真9の続きである。



 一つの微生物フロックに着目してRGBを測定すると図1のようになった。
 また図2にはG/RとG/Bの変化をプロットした。
 G/Rは経時的に上昇し、G/Bは経時的に低下した。
 

 このように完全に緑化したフロックを写真2のようにミキサーで懸濁した。その顕微鏡画像を写真3に示した。


  透明な500ml容のペットボトルにピップエレキバン(MAX200)をそれぞれ0ヶ、1ヶ、2ヶ、4ヶ、6ヶ貼りつけた。
 これに0.1%ハイポネックス水溶液400mlと光合成微生物100mlを入れて窓側の室内に放置し、エレキバン個数(磁力の大きさ)が微生物フロックに
 どのような影響を及ぼすかを見た。
 懸濁液は1週間に一度浸透して懸濁し、それ以外の時間は静置した。
 静置時には蓋は軽く閉じて密閉しなかった。二酸化炭素を含む空気が入るようにするためである。


 放置経過を写真4,5,6,7,8に示した。







 フロックは表面に浮く場合と底に沈む場合があった。
 表面に浮遊しているフロックの比率を目分量で測定しその経過を図2にプロットした。
 全体として最初の1ヶ月は浮遊しているフロックの比率が多く、次の2ヶ月は沈降し、最後の1ヶ月でまた浮遊し、その浮遊率はエレキバンの個数によって
 変化した。

 

 写真9に最終日の微生物フロックの濾過と乾燥の様子を示した。




 写真10には湿フロックの顕微鏡画像を示した。



  エレキバンの個数とフロックの状態の関係は以下のとおりであった。

 ①エレキバンの個数が増加すると濾液のpHは高くなる。(図3)
 ②湿フロック重量はエレキバン個数 4ヶ,6ヶ>0ヶ,1ヶ,2ヶであった。(図4)
 ③一方乾燥フロック重量はエレキバン個数 0ヶ,1ヶ、2ヶ>4ヶ、6ヶであった。(図5)
 ④すなわち湿フロックの水分含量がエレキバン個数4ヶ,6ヶ>0ヶ,1ヶ,2ヶであるということである。(図6)
 ⑤最終日のフロック浮遊率はエレキバン個数が多いほど大きくなり(図7)、濾液pHとも同様の関係があった。(図8)
 

 以上よりメカニズムは説明できないが、弱い磁力がこの光合成微生物フロックの状態に影響を及ぼすことが認められた。


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