250.黒豆黒糖麹発酵1 2019年9月3日
黒豆(黒大豆)と黒砂糖を麹菌で発酵させた自家製機能性食品を作ろう考えている。
黒砂糖にアンチエイジング成分が存在するというのは私の長年の仮説であるが、黒豆にも存在すると考えており、それらを混合して麹菌で発酵させれば良いのではないかと
思うのである。
黒豆は写真1に示すような丹波黒豆のきな粉を使用した。
黒砂糖は写真2に示すような自家製の黒砂糖である。
この2つの原料を表1のように混合し、原料に対して2倍の水を添加して培地とした。
麹菌は製造元「(株)ビオック」販売社「(株)糀屋三左衛門」種こうじ(豆麹用)を使用した。
種麹の添加量は耳かき1匙である。
発酵経過を表1に示す。
30℃、3日間の発酵で菌糸が最も良く生育したのは黒砂糖比率20%のものであった。
図1と図2に発酵による重量減少を示す。
重量減少が大きいほど炭酸ガスおよび水蒸気として放出された量が多いと考えられ、発酵が良く進んだと見られる。
これによれば黒砂糖比率20%での発酵状態が良かったと言える。
これは菌糸体の生育状態とも一致する。
3日間発酵させた発酵物は写真2のように60%エタノールで抽出し、遠心上澄を水で50倍に希釈して紫外可視吸収スペクトルを測定した。
図3は湿発酵物濃度を2mg/mlに換算したときの紫外可視吸収スペクトルである。
図4は黒砂糖比率0%のODを100%としたときの相対ODスペクトルである。
また図5は代表的な波長のODの黒砂糖比率に対する相対ODの変化である。
500nm以上の長波長では黒砂糖比率が多いほど相対ODは低下するが、260-400nmでは
黒砂糖比率20%~60%で大きな差はない。
今後は実験を以下のように進めて行く。
①黒砂糖比率率0%~30%での麹発酵が最も良く進む濃度を確認する。
②最適黒砂糖比率での固形分、ポリフェノール含量の発酵経時変化を測定し、固形分あたりのポリフェノール含量が最大となる発酵時間を決める。
③最適発酵時間で発酵を実施し、抽出物のMSG-グルコース系でのメイラード反応抑制効果を測定する。
研究日誌の目次に戻る