252. 黒豆黒糖麹発酵2  2019年9月20日

 第250節で黒砂糖比率0%,20%,40%,60%,100%で麹発酵を行い、発酵が最も良く進んだのは20%であった。
そこで今回は0%と30%の間を5%刻みで実験した。
その実験方法を図1に示す。



 実験経過を写真1に示す。




 図2.に黒砂糖比率と累積重量減少の関係を示した。
 3日間の発酵で重量減少が最も高かったのは黒砂糖比率20%であった。
 発酵物の重量は蒸発水分も含まれるため、図3のように発酵物の乾燥固形分を測定し、黒砂糖比率と累積固形分減少の関係を図4に示した。
 今回の実験結果で図4が最も重要である。
 3日間の発酵で固形分の重量減少が最も大きかったのは黒砂糖比率20%であった。




 3日間発酵物を水に懸濁して混合し、濾過により残渣と濾液に分離した。(写真2)



 図5に示すように黒砂糖比率が高くなるほど濾液は増加し、残渣は減少した。
 図6には黒砂糖比率と濾過残渣(乾燥前、乾燥後)の重量の関係を示した。
 湿残渣は黒砂糖比率20%以上で急激に減少した。
 乾燥残渣は湿残渣ほどではないにせよ黒砂糖比率20%以上で減少した。


 図7には黒砂糖比率と湿残渣の乾燥固形分の関係を示した。
 黒砂糖比率5%が異常に低く、25%は異常に高かったが、それ以外は大きな差はなかった。
 



 図8に濾液の紫外可視吸収スペクトルを示した。
 何れも270nmと210nm付近にピークが認められた。
 可視部の吸収は図9に示すように黒砂糖比率が高くなるほど減少した。
 OD270nm、OD210nmも黒砂糖比率が高くなるほど減少したが、黒砂糖比率5%が異常に高かった。



 図10に黒砂糖比率と濾液のpHの関係を示す。
 黒砂糖比率が高くなるほどpHは低下した。
 黒砂糖比率5%は近似曲線で予想されるよりもpHが低かった。
 麹カビ以外の微生物がコンタミしたのかもしれない。
 
   


発酵が最も良く進むのは黒砂糖比率20%であった。
今後は黒砂糖比率20%に固定して総ポリフェノールの消長を見ることにする。

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