264. 第3サトウキビ畑のサトウキビジュース総ポリフェノール 2019年11月20日
第3サトウキビ畑から1ヶ月に一度サトウキビをサンプリングし、各部位の重量変化を計測している。(第244節、第251節、第261節)
部位の中で茎は-20℃のフリーザーに凍結保存した。(写真1)
このたび、凍結茎をフリーザーから取り出し、電子レンジで解凍した。
写真2は解凍前の茎の状態を示す。
7月度の茎はほとんど生長しておらず、搾汁はできなかった。8月以降の茎は黒砂糖の製造に使用している搾汁機で生ジュースを得ることができた。
生ジュースはその10mlをホットプレートで1分間沸騰させ、発生する沈殿を遠心分離して清澄ジュースを得た。
写真3に生ジュースと清澄ジュースの外観を比較した。
生ジュース、清澄ジュースを水で50倍に希釈して紫外可視吸収スペクトルを測定した。
清澄ジュースは加熱による濃縮分を補正した吸光度になっている。
その結果を図1に示す。
吸光度が生ジュース>清澄ジュースとなっているの濁度の影響である。
図2は生ジュースから清澄ジュースの吸光度を差し引いた値、すなわち濁度物質の紫外可視吸収スペクトルである。
10月から11月に濁度が急上昇している。
図3.にジュースのBrixを示す。
8月のBrixは10%であるのに対し、11月度はその2倍の20%以上に上昇している。
図4に生ジュースのpHを示す。
8月、9月はpHが低いが10月、11月には高くなった。
味も8月は甘味が弱く酸味を感じるが、月を経るごとに甘味が強くなり、酸味が弱くなった。
11月にはスクロースの甘味のみで酸味は感じなかった。
図5にはフォリン・チオカルト法による総ポリフェノール(TPP)の分析結果を示した。
生ジュースあたりのTPPはサトウキビの生長とともに増加した。
図6には生ジュースBrixあたりのTPP含量を示した。
8月、9月は高く,10月、11月は低かった。
図7には清澄ジュースのOD変化を示す。
全体的に9月度が高いが、その後は変わらない。
図8には生ジュースの濁度を示した。
11月度になって急上昇している。
第3サトウキビ畑のサンプリングは今後12月、1月、2月、3月、4月、5月と継続する予定であり。
TPP濃度がどのように変化するか楽しみである。
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