336. 加熱サトウキビジュースの沈降灰汁の分離 2021年2月9日


 2020年生育サトウキビの収穫8バッチにおける加熱ジュースの沈降灰汁分離データを表1に示した。
No.1~No.6は沈降槽として従来どおりの浅鍋を使用しNo.7とNo.8は新しい深鍋を使用した。
No.7はサイホン分離の時重液を巻き上げてしまい軽液回収率は低かったがNo.8は正常に操作ができ軽液回収率は最も高く
81%に達した。
No.6は浅鍋ではあるが重液接触限界までサイホンによる回収を行ったため軽液回収率は79%と高かった。


 図1に軽液回収率、濾液回収率、清澄ジュース回収率をバッチごとに比較した。
 軽液回収率の低いバッチは濾液回収率が高く、両者を合わせた清澄ジュース回収率は95%~97%であった。



 図2に加熱ジュース量と清澄ジュース回収率を示した。
 軽液回収率は加熱ジュースが増えると増加し、濾液回収率は減少した。
 両者を合わせた清澄ジュース回収率はほぼ一定であった。



 図3に加熱ジュース量と濾過残渣量の関係を示した。
近似直線の傾きから濾過残渣(湿)の含有量は約3.7%である。



 サイホン軽液の回収率を上げることは、時間がかかる重液濾過の効率化につながる。
凝集剤は一切使用したくないので、今後沈降槽の形状等の工夫をしていきたい。

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