337. シロップ最終煮詰めの解析 2021年2月9日

 2020年生育サトウキビから黒砂糖を製造したときの最終煮詰めの全データを表1に示した。
24バッチのうちブロック状に固まったのは21バッチ、3バッチは飴状となった。
飴状となった3バッチは以下のような処理を行った。
 ①No2-1: 再煮つめによりブロック状に固めた。
 ②No8-1,2: 掻き混ぜながら乾燥し不定形の黒砂糖を得た。
最終煮詰め液のBrix値を計算したが、No4-1のみ異常に低かった。このBrixでは黒砂糖はできないのでシロップ重量の記録が間違っているのではないかと考える。
このデータは以下の解析から除外した。



 図1にシロップ重量と加熱時間の関係を示した。
 当然ながら両者には正の相関があるが、飴状になったバッチはブロック状になったバッチより加熱時間が少なかった。
 図2にシロップ重量と蒸発水分の関係を示した。飴状になったバッチはブロック状になったバッチより蒸発水分が少なかった。
 図3にシロップ重量と乾燥前の正味黒砂糖重量の関係を示した。飴状>ブロック状であり。飴状黒砂糖には水分が多く残存していると考えられる。
 図4にジロップのBrix量計算値(g)と最終煮詰め液Brix(濃度)の関係を示した。飴状になった黒砂糖は明らかに最終煮詰め液のBrixが低い。

 これより今期飴状になった原因は煮詰め不足であると結論できる。


 研究日誌の目次に戻る