357. 磁石装着サトウキビのジュースの放置1 2021年8月5日
第323節「磁石装着サトウキビの収穫」で取得した生サトウキビジュースをウイスキー角の空き瓶に入れて室内に放置した。
その経過を写真1,2,3,4,5に示した。
磁石数0のサトウキビは磁石を2個以上のサトウキビに比較して収量が低く、放置した生ジュースの量も少なかった。
①放置した生ジュースはまず懸濁物が沈降し、次いで表面にカビが発生しはじめた。(写真1)
②カビの発生状況はNo.1とNo.6が最も多い。(写真2)
③No.7は液全体が濁ってきた。(写真3)
④全体的に濁度物質の沈降がさらに進み液上層部が清澄となってきた。(写真4)
⑤No.7は液の粘性が高く濁度物質の沈降は進まなかった。(写真5)
2020年11月28日から2021年1月19日まで52日間放置したジュースを濾過して濾過残渣と濾液を得た。
No.7の濾液は粘性が高く、そのままの遠心分離では清澄化できないためエタノールを添加して沈殿物を分離し、清澄な上清を得た。
その状況を写真6に示した。
図1に全体の液重量に対する濾紙上の残分の重量比率を示した。
磁石数12のジュースだけが著しく残分比率が高かった。極めて粘性が高くゲル化した状態になったためである。
図2に放置前後のBrixを示した。
磁石数12のジュースを除いて予想以上にBrixの低下は少なかった。
図3に濾液の電気伝導度を示した。
磁石数の増加とともに電気伝導度は明らかに増加した。
図4の放置前後のpHを示した。
いずれのジュースもpHは低下したが、磁石数0のzy-スの低下は最も小さかった。
図5にエタノール添加上清の紫外可視吸収スペクトルを図6には磁石数と代表ODの関係を示した。
OD420nmは磁石数0が最も大きく、磁石数2以上では大きな差がなかった。
OD330nmは磁石数2~4で極大となった。
OD270nm、OD200nmは磁石数6~8で極小となった。
種茎に装着した磁石数はサトウキビの生育だけでなく、搾った生ジュースを放置したときの微生物汚染による成分変化にも影響するようである。
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