361.イシクラゲ 2021年8月29日
サトウキビ畑の横の空き地(サトウキビ刈り取り作業に使用している)では芝生とクローバーが生存競争をしていたが、どうやら芝生の勝利で決着がついたようだ。
(糖蜜色コレクション第375節参照)
この芝生の一部にイシクラゲが生育している。(写真1)
写真2はイシクラゲを採取し水道水で何度も洗ったときの画像である。
イシクラゲがどのようなものであるかは文献1の引用抜粋を参照されたい。
写真3に芝生から採取したイシクラゲの顕微鏡画像を示した。
文献によるとイシクラゲは肥料は不要で、水があれば生育するらしい。
現実的には純水な水だけでは生育はできないので、生育に必要なミネラルが溶解した水ということになる。
それではハイポネックスを与えてみたらどうなるのだろうか?
いくら肥料は不要とは言え、あるにこしたことはないのではないだろうか。
そこで写真4のように一定量のイシクラゲを種々の濃度のハイポネックス水溶液に懸濁して窓際に放置してみた。
放置中の蒸発水分は水道水を添加することにより補填した。
写真5に放置経過を示した。
経過とともにハイポネックス濃度が高くなるほどバイオマスは増加し、緑色も鮮やかになってきた。
図1にpH変化を図2にEC変化を示した。
また図3にpH上昇変化を図4にEC減少変化を示した。
最終日と開始日のpH上昇を図5に、ECの減少を図6に示した。
これを見るとハイポネックスの添加は光合成を促進しているのはまちがいない。
「やはりイシクラゲもハイポネックスにより生育が促進されるのだ」と思った。
しかし、写真6の顕微鏡画像を見て、そうでないことが分かった。
ハイポネックスはイシクラゲの生育を促進したのではなく、イシクラゲに混入していたであろう別のシアノバクテリアの生育を促進していたのである。
イシクラゲは貧栄養なところでも生育できることで、他のシアノバクテリアが生育できない環境で生存競争を有利に進めているのだろう。
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