453.松腐朽株粉砕残渣の水懸濁液の放置 2023年12月30日
本節は第451節の続きである。
第451節での最終残渣を粉砕したものを水に懸濁し室内窓際に放置しその変化を観察した。(写真1)
2週間放置した12月5日に写真2に示すように栄養源を添加して放置を継続した。
その結果グルコースとハイポネックスの両方を添加したNo.4だけに大きな変化が認められた。
すなわち液表面に微生物のコロニーが形成され、液の色度も低下した。
No.4に発生したコロニーの状態を写真3に示した。
コロニーWは液表面に浮遊しているものであり、コロニーBは瓶の内壁の気液境界に付着していた。
写真4に各コロニーの顕微鏡画像を示した。
コロニーWはおそらく糸状菌の分生子または偽菌糸と考えられる。(写真5)
コロニーBは菌糸体であった。
第451節でNo.4は何の微生物も認められない死の世界であると記述したが、これは間違いであったと思う。
写真6で再度顕微鏡画像を検討したところ、僅かに分生子らしきものが認められた。
おそらくNo.4の懸濁液に増殖してきた微生物はリグニンを分解できる微生物でないかと思う。
グルコースとハイポネックスの添加によって覚醒したのだと思う。
今後の変化が楽しみである。
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