89.園児が描く太陽の色  2016年5月5日

 私が子供の頃絵を描いたとき太陽を何色で塗ったかというと、日本国旗の日の丸の赤であった。
太陽というと温かいイメージがあり、暖かさから連想するのは赤色である。
おそらく、ほとんどの子供達も太陽と言えば日の丸の赤であったと思う。
 ところが、外国では赤よりも黄で太陽を塗る子供達が多いのだそうだ。
私の住む、延岡駅は大改修工事の真っ最中なのだが、その工事用防護壁に鉄道をテーマにした市内の保育園児と幼稚園児の絵が掲示されていた。(写真1)


 
 その絵の大部分は昼間に走る電車の絵なのだが、必ずと言って良いほど太陽が描かれていた。(写真2)

 

 太陽の部分だけを切りとって、塗られている最も面積の広い部分のRGBを測定してみた。(写真3)


 そしてR%の大きい順に並べたのが表1である。
 大部分の園児は太陽を赤~オレンジ色に塗っているのがわかる。
 中にはピンクの太陽もあり、園児の発想の豊かさに驚かされる。
 黄色が1人、 周りを赤で描き色を塗っていない(白のまま)の子が3人いた。
 

 日食グラスを通してみた太陽の色は黄色である。(ワンダムおじさんの糖蜜色研究、4.4 君は太陽族?)
私は実際に見える太陽の色は同書の「Page179 15.太陽光スペクトルの短波長および長波長側からの合成」
のようであると考えている。(その色見本は著書追加資料に示している)
全ての波長を合成したときのRGBは255,249,241でほとんど白に近い、極めて薄いオレンジである。

 図1は太陽光長波長側合成スペクトルのG/R vs B/R プロットに園児の描いた太陽の色をプロットしたものである。
園児の太陽はこの曲線にのっているもの(園児b)、近いものもあるが(園児a)、まったくはずれているものが3つある。
そのうちの2つはピンク色(園児c)と黄色(園児d)であった。




 園児たちの描く太陽の色が何色であろうとも、それは子供達の元気と明るさの印である。

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