411.皮を除去した金柑の屋外放置 2022年11月25日
 
 第397節では金柑の皮を分離し、それをホワイトリカーで抽出した。
そのときに残った皮を除去した金柑(果肉と種子を含む)をステンレスパットに入れ屋外に放置した。
 放置した場所はスモモの果実蛇の死骸を放置したのと同じ第2サトウキビ畑のそばである。
 写真1にその放置経過を示した。
 写真1-1:最初は黄色であったが、3日ほどで黄色は消え(6月11日)、 その後表面には黒いカビのコロニーが形成された(6月15日)



  写真1-2: 7月になると黒いカビのコロニーは消失、降雨のため物は水に浸漬さらた状態が続く。
     雨が止み、水が蒸発して現れた物は果肉が消失し、種と深緑色のスラッジであった。(8月12日)

 写真1-3:8月には深緑色のスラッジも減少し、糖蜜色の種の粒がはっきり見えるようになる(8月30日)。
 9月には降雨が増え、種は底に沈む。水面にはサトウキビと撮影している私の姿が反射して写っている。



 写真1-4: 9月18日~9月19日の台風14号で近くの木々の葉が風に運ばれてパットに混入した。
このころから液は次第に緑色を呈し、シアノバクテリアが繁殖してきたと考えらる。


 写真1-5: 10月は液は完全に緑色になった。
 水が蒸発して残った残渣には①種②シアノバクテリアの緑色スラッジ③落ち葉が認められた。(11月11日)


 表1に放置物表面のRGBおよびRGB%を示し、図1にRGB%の経過を示した。



   
 
  G(緑)が増加し始めるのは台風14号の後である。
 混入した落ち葉から増殖旺盛なシアノバクテリアもしくは不足していた栄養源が持ち込まれたのかもしれない。
 写真2は落ち葉を除去するときの様子である。

 

 葉を除去した放置物は水道水で洗浄し、緑色スラッジを沪液の方に移行させた。
 写真3にその経過を示した。
 洗浄6回目になると浮遊している残渣と沈降している残渣がはっきり区別できるようになり、8回目の洗浄で両者を分離した。


 浮遊残渣と沈降残渣は室内での風乾と食器乾燥器で乾燥した。
その経過を写真4に示した。
 
  乾燥残渣の重量比率は表2に示す通りであった。

                  

 図1には洗浄回数ごとの沪液pHを示した。

          

 沪液を室内に放置したときの状態を写真5に示した。
シアノバクテリアスラッジは沈降するのが大部分であるが浮遊するものもあった。

  


 写真6はシアノバクテリアの顕微鏡画像である。
 螺旋状のものと球状の2種が主体であった。

 風乾中の残渣は有機酸臭がしたので内部を顕微鏡で見てみると楕円形の小さいバクテリアが存在していた。
 果肉は放置中に完全に分解されたが、種の内部ではまだ従属栄養で繁殖するバクテリアの栄養源が残っていたということである。

 今回もまた最終的に繁殖したのはシアノバクテリアであった。
 一方で種を包む種皮の耐性もきわめて強靭である。。

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