632. カボチャ抽出残渣懸濁液の放置 2 2025年8月15日

 本節は第533節の続きである。
写真1に室内に放置したカボチャ残渣懸濁液の経過を示した。


 表1は放置液上層部のRGB,、T値およびRGB%のデータを示した。

 図1は上層RGBの変化、図2は上層T値(R+G+B)の変化である。
 図3は上層RGB%の変化である。 明らかにG%(緑色)が増加しているのが分かる。
 G%の増加は言うまでもなくシアノバクテりアの増殖によるものである。

 図4は液重量変化、図5は蒸発水分を補填するための累積水添加量の経過である。
 図6はpHの変化である。
 液重量は蒸発が増加する夏季に大きく低下し、蒸発が減少する冬季は低下量は少ない。
 pHはシアノバクテリアの光合成活性が弱くなる冬季に低下した。

 写真2は放置開始時(2023年9月23日)、最終放置液の沪過の状態である。(2025年7月29日)
この残渣沪過はきわて悪く、途中で沪過をあきらめ、水を添加して沈降分離することに切りかえた。



 写真4は水洗沈降分離の状況である。
「上」と表示した容器には沪液と濾紙上の上層液を入れ、「下」と表示した容器に濾紙上の残渣の多い部分を入れた。


 写真5は水洗回数と沈降上清の色を示す。

写真6は写真5の沈降上清の遠心分離の結果である。


 写真7は上層液の遠心分離沈澱の顕微鏡画像である。
球状のシアノバクテリア細胞とその破片が認められた。
水洗回数が多くなるほどシアノバクテリア細胞が減少し、破片が増加していた。

 写真3は沪過残渣の顕微鏡画像である。


 写真9は沪過残渣の風乾経過、図9は風乾時の残存重量変化である。



風乾残渣は写真10のように粗砕し、写真11のように栄養源を添加して再放置を開始した。
グルコースとハイポネックスを添加したのは松腐朽残渣懸濁液の放置で分解しにくいリグニンを
分解する微生物が繁殖するのではないかと考えたからである。




 カボチャの新鮮果実の放置を開始してから6.84年が低下して僅かな残渣になるまでの経過を示した。
栄養源を添加した再放置で残渣をどこまで減少さえることができるだろうか。


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