393. 第2サトウキビ畑各区画の土壌pHの測定 2022年7月15日
前節で第2サトウキビ畑の区画に無出芽回数に差があることを述べた。
その原因は区画の位置により冬の北風のあたり具合や日光の当たり具合により冬季の土壌温度に差が出るためではないかと推測している。
ここでは区画の土壌の状態、特にpHと無出芽回数に関係があるかどうかを検討した。
写真1に各区画の土壌サンプリングの様子を示した。
サンプリング直前に除草を行い、本年度の施肥はサンプリング前は一度も実施していない。
使い捨てプラスチックに採取した土壌は室内で15日間風乾した。
風乾時の重量変化を図1に示した。
土壌サンプルは計量前に良く混合し、見つかった雑草の根などは極力除去した。
写真2に風乾した土壌サンプルの外観を示した。
風乾した土壌サンプルは写真3のように粉砕した。
粉砕土壌の外観を写真4に示した。
粉砕した土壌サンプルはその10gを水道水50mlに懸濁し、写真5に示した土壌スラリーを得た。
土壌スラリーを一夜静置すると大部分の土壌粒子は沈降した。
極めて微小な粒子は浮遊し、上澄液は濁っていた。その外観を写真6に示した。
一夜放置した土壌スラリーのろ液の状態を写真7に示した。
ろ紙を通過する微細粒子の差によりろ液の色には差が認められた。
表1にろ液pHの測定結果を示した。
最低pHは5.03のF-7で最高pHは6.95のA-1であった。
サトウキビの生育に適した土壌pHは6.5~7.5と言われているので第2サトウキビ畑の土壌pHはやや低めであった。
表2にろ液の電気伝導度の測定結果を表2に示した。
区画A-1のみ0.2mS/cmで残りの区画はすべて0.1mS/cmであった。
私が所有している電気伝導度計では差を見るほどの精度がなかったと言える。
表3にはろ液の白色度を示した。
白色度は(R+G+B)/(255*3) (%)による計算値である。
図2に過去6年間の区画別無出芽回数を、図3に区画別の土壌ろ液pHを、図4に土壌ろ液の白色度を比較した。
図5には無出芽回数と土壌pHの散布図を示したが、両者に明瞭な相関は認められなかった。
ただし、無出芽回数がまったくなかったプロットの土壌pHは低い傾向にあった。
図6には無出芽回数と土壌ろ液白色度の散布図を示したが、両者に相関は認められなかった。
以上より無出芽回数は土壌pHにはほとんど関係がなく、やはり冬季の土壌温度差によるものと
考えられる。
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