400. カビ付きサトウキビシロップの放置(続編3) 2022年8月20日
本節は2020年322節の続きである。
写真1から6に放置したカビ付きシロップの外観変化を示した。
2020年12月から2021年5月中旬まではシロップ表面のカビマットに変化は見られなかった。(写真1.写真2)
2020年5月下旬より新たなコロニーの拡大が始まったが7月にはいりすぐに縮小に入った。(写真2,写真3)
2021年8月になると表面の白いコロニーは減少した。
10月になるとコロニーの再増加が見られたが、増殖はすぐに止まり2022年4月まで表面のカビマットに変化はなかった。
(写真3,4,5)
2022年4月25日にシロップを混合し、表面のカビマットを壊した。(写真5)
2022年6月上旬から7月中旬に表面での活発な増殖がおこり、コロニーが拡大したが、8月になるとコロニーは縮小した。
図1に室温変化を示した。
図2,図3にシロップの重量変化を示した。
毎年6月~7月の梅雨の季節に、湿度が高くなると表面に水分が吸着し、この期間にのみ増殖がおこる。
8月になると気温が高くなり、表面水分の蒸発が起こることにより増殖は停止する。
またこのカビは30℃を超えると増殖速度が低下するようである。
図4に極小重量相対値の変化を示した。
このデータが私の最も欲するものである。
極小重量は放置時間とともに直線的に減少している。
重量減少は
①水分の蒸発
②シロップ中の糖分のカビによる消費
によるものと考えられるが、どこまで減少するのかが楽しみである。
もし、カビの増殖が起こらなくなったら、後は水分の蒸発による乾燥だけになる。
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