405.鹿沼土 2022年10月11日
2017年152節で使用した鹿沼土をプランターに入れたまま屋外に移動した。
2018年にはトウモロコシの種を植え、鹿沼土で正常に生長するかどうかを試してみた。
トウモロコシは生長が悪く結実することなく枯れてしまった。
鹿沼土には肥料の保持能力が低く、152節で添加した肥料も流出してしまったものと考えられる。
また、鹿沼土そのものにはトウモロコシを結実させるだけの肥効成分は含まれていないと考えれた。
枯れたトウモロコシを抜き取った後、そのまま放置し雑草が自然に生えるかどうかを見ることにした。
その経過を写真1に示した。
さすが雑草である。4月になると自然に芽が出て夏には旺盛に生長した。
冬になると枯れた雑草は2019年と2020年には抜き取った。
しかし、翌春になると新たな雑草が芽生え生長した。
2021年の冬には枯れた雑草を抜き取らずそのままにしておいたが、やはり翌春には新しい雑草が生長した。
鹿沼土というのは文献1にあるように実際には風化した軽石だそうである。
未使用の鹿沼土と使用済の鹿沼土がどのように違うのかを調べるために写真2にようにプランターに生えている
雑草を除去して使用済の鹿沼土を得た。
写真3には未使用と使用済の鹿沼土を室内で風乾したときの経過を示した。
同時に写真よりRGBを測定し、その結果を付記した。
写真4は未使用と使用済鹿沼土の外観の比較である。
風乾前は使用済の方が色が濃く、風乾後はほとんど同じ色調となった。
ただし。使用済のサンプルには雑草の根の残渣が含まれており、色の濃い粒子も含まれていた。
図1に風乾時の相対重量変化を示した。
残存相対重量が一定になるときの水分を0%として図1に風乾時の水分変化を示した。
風乾前の水分は未使用品は21%、使用済品は36%であった。
図3に風乾時のT値(R+G+B)の変化を示した。
未使用品のT値はほぼ一定であるが、使用済品は経時的に上昇し、乾燥完了時には未使用品と等しく
なった。
図4に風乾時の水分とT値の関係をプロットした。
未使用品は水分にかかわらずT値はほぼ一定であるが、使用済み品は水分5%以上で大きく低下した。
写真5は鹿沼土を水に懸濁したときの状態である。
未使用品、使用品ともかなりの量が水に浮かんだ。
懸濁液のpHは使用済品が低かった。
写真6は未使用品、使用済品および使用済品から根の残渣(鹿沼土も少し付着している)をプロパンガスコンロで
強熱したときの経過である。
根の残渣は炎を上げて燃えるものと予想していたが、すぐに炭化し燃え尽きることはなかった。
鹿沼土の中に燃焼防止成分が含まれているのではないかとさえ思えた。
表1、図5には強熱時の相対重量の経過を示した。
未使用品と使用済品の残存相対重量はそれぞれ79%と75%であった。
この差は混入していた根残渣によるものかもしれない。
根残渣の残存相対重量は52%もあり、炭化したまま燃焼が止まっているものと考えられた。
未使用品と使用済品の差は根残渣が混入しているかどうかだけで、鹿沼土自体は極めて安定で使用により
ほとんど変化は見られなかった。
鹿沼土については以下の2点に興味があるので確認してみたい。
①鹿沼土に燃焼防止効果はあるのか?
②糖蜜発酵廃液をシアノバクテリアで脱色するときのシアノバクテリアが生育する担体となるか?
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