461. 黒豆きな粉添加濃度と黒砂糖の品質 2024年2月22日

 第459節で調製した黒砂糖の品質評価を行った。
 図1に黒砂糖の味評価結果を示した。
 黒豆きな粉を添加していない黒砂糖の評価点数を100点とした。
 きな粉添加濃度0.48%以下では黒砂糖の味は無添加のものとまったく変わらなかった。
 0.16%を添加したものは甘みがシャープで私には最もおいしく感じた。
 0.65%以上では甘みが少しボケ、1.6%ではややエグミを感じた。



 黒砂糖水溶液の紫外可視吸収スペクトルを測定するために、表1のようにして黒砂糖の各サンプルを溶解した。

 水溶液のRGBを図2に示した。
 RとGはきな粉添加濃度によってほとんど変わらないが、B値は添加濃度濃度とともに低下した。

  

 図3に黒砂糖100mg/dl水溶液の紫外可視吸収スペクトルを示した。

 
 図4にきな粉添加濃度とOD420nm,OD275nm,OD200nmの関係を示した。
 いずれのODも正の相関があり、特にOD200nmに対する相関は大きかった。
 これらの吸収の増加はジュースに溶解した黒豆きな粉成分によるものと考えられる。


 図5にOD420nmと図2のB値の関係を示した。
 両者には強い負の相関が認められた。

  

 図6にきな粉濃度と黒砂糖水溶液のpHの関係を示した。
 きな粉濃度が高くなるほどpHは高くなった。

 図7にきな粉濃度と黒砂糖水溶液の電気伝導度の関係を示した。
 きな粉濃度1%までは電気伝導度は若干低下傾向「にあり。1.6%で大きく増加した。

 
 図8に黒砂糖水溶液のOD200nmと味評価点数の関係を示した。
 両者には負の相関が認められた。



 黒砂糖の本来の味を維持するためには黒豆きな粉添加濃度は生ジュースに対し1%以下に、望ましくは0.5%以下にすべきである。
 0.16%の少量添加はODの低下をもたらし、味は無添加よりも好ましくなったが、このデータについては再現性試験が必要であろう。


研究日誌の目次に戻る