475. バガス置場残渣を添加した糖蜜発酵廃液の脱色3
本節は第450節の続きである。
室内に放置したバガス置場残渣を添加した糖蜜発酵廃液の外観経過を写真1に示した。
主として蒸発による放置中の重量減少は水道水の添加により補填した。
水添加前も重量を図1に水添加後の重量を図2に示した。
図2で重量が段階的に減少しているのはOD420nmを測定するためのサンプリングによるものである。
図3には累積水添加量の経過を示した。
図4および図5はバガス残渣を採取した時の相対深さをパラメーターとしたOD420nmの経過である。
いずれも放置時間とともに減少している。
図6は相対深さとOD420nmの関係である。
2024年5月28日のデータによれば最もOD420nmが低かったのは相対深さ59%のサンプルであり、最も高かったのは相対深さ50%のサンプルであった。
2024年5月28日のサンプルについて以下のデータを表1に示した。
①ガラス瓶の液のない空間部に緑色のバイオフィルムが付着しており、その量がサンプルによって異なっていた。
バイオフィルムの量が多くなるほど高い点数をつけ、フィルム量評価点数とした。
②上清のOD420nm(10倍希釈)
③累積水添加量
相対深さと各データの関係を図7,8,9に示した。
図7.空間部フィルム量評価点数
全体としては相対深さが中間付近のバイオフィルム量が最も少なかった。
ただし、相対深さ49%で最低の0点だったのに対しそのすぐ近くの相対深さ53%では最高の7点であった。
図8.上清OD420nm
相対深さ70%~90%のOD420nmが高かった。
相対深さ40%~70%のOD420nmが低かった。
図9.累積水添加量
相対深さと3次曲線で強い相関が認められた。
相対深さ30%~60%で最も多かった。
OD420nmと各データの関係を図10,11に示した。
図10.空間部フィルム量評価点数
相対深さ53%のデーターを除いて正の相関が認められた。
すなわち空間部内壁のバイオフィルムが少ないほどOD420nmは低かった。
図11.累積水添加量
強い負の相関が認められた。
すなわち、水添加量が多いほどOD420nmは低かった。
図12にはフィルム量評価点数と累積水添加量の関係を示した。
相対深さ53%のデータを除いて、両者には負の相関が認められた。
すなわち空間部内壁のバイオフィルム付着量が多いほど累積水添加量は少なかった。
図7~図12の相関については極めて興味深いので、別途 節を改めて考察したい。
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