485. 蛇の骨を添加したシアノバクテリア懸濁液2

  本節は第454節の続きである。
 表1に懸濁液の放置画像経過とバイオフロック(シアノバクテリア)のG/RおよびB/Rを示した。


  図1はバイオフロックのG/Rの変化である。
  蛇の骨を添加したNo.2とNo3は放置中大きな変化はなく 常にB/R>1であった。
  蛇の骨を添加していないNo.1は4月末まではB/R<1であったが5月以後は緑化してB/R>1となった。
  図2はバイオフロックのG/Rの変化である。
  No.1だけが4月末までは低い値を示したが、5月以後はNo.2,No3と同じく高くなった。
  三者とも8月以後低下傾向となった。
  図3はバイオフロック層の相対高さの変化である。
  期間全体に渡って、層の高さはNo.2>No.1>No.3であった。
  No.1とNo.3は層の高さに大きな変化はなかったが、No.2は増加し6月下旬以後は100%、すなわち液全体がバイオフロック層で
 満たされた。

     
  図4にpH変化を示した。
  pHは骨を添加していないNo.1だけが高く、骨を添加したNo.2とNo.3は低かった。
  図5にEC(電気伝導度)の変化を示した。
  No.2が最も高く、次いでNo.1であった。
  細くて長い骨を添加したNo.3は常に低かった。

      
 表2に放置最終日の沪過残渣と沪液の比較を行った。
 沪過残渣にはシアノバクテリアだけでなく蛇の骨も含まれている。
 No.3は細くて長い骨を添加しているにも関わらず最も沪過残渣重量比率低かった。(図6)


 写真1にバイオフロックの顕微鏡画像を比較した。
 いずれも糸状細胞であるが、No.2は太かった。
 No.1とNo.3の太さはさほど変わらない。

 以上より太くて短い骨には多くの栄養源が含まれていて、シアノバクテリアの増殖を促進した。
 一方細くて長い骨には冬でもシアノバクテリアの緑を維持する作用はあるものの、増殖は促進しない。
 No.2はシアノバクテリア層が100%になり、これ以上の増殖は空間的制約ああると考えられた。
 そこで写真2のような大きなガラス瓶に移し替えて再放置を開始した。


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