486.洗浄回数を変えたバガスの水浸漬 2024年11月5日
第460節で洗浄回数を変えたバガスを水浸漬して30℃で17日間インキュベーションし、酵母と細菌の増殖を確認した。
本節ではインキュベーション後にバガス浸漬水を室内窓際に放置した結果を述べる。
写真1に外観の放置経過を示した。
予想通りある時期から緑色のシアノバクテリアが増殖した。
写真2は液上部の色調変化である。
洗浄回数が少ないほど緑化は早くなった。
写真3に放置最終日の沪過残渣(バイオフロック)と沪液の外観および重量を示した。
洗浄回数0のものは、沪過操作の途中で大量の液をこぼしてしまった。
沪液の緑色の濃さは 洗浄回数1回>2回>3回>0回の順であった。
緑色は濾紙を通過する小さなシアノバクテリアによるものである。
写真4はバイオフロックの顕微鏡画像である。
いずれも糸状細胞、単独の球状細胞、数珠状につながった球状細胞からなっていた。
写真5は浸漬最終日に分離した浸漬茎の状態である。
図1はpH変化である。
いずれもシアノバクテリアの増殖が始まるころからpHは急上昇した。
シアノバクテリアの増殖以前のpHは 洗浄0回>1回>2回=3回であったがシアノバクテリア増殖後は差はなくなった。
図2は洗浄回数とECの関係である。
30℃インキュベーションによりECは上昇したが(糖から有機酸への変化)、
室内放置終了時にはインキュベーション前より若干低くなっていた。
シアノバクテリアが有機酸およびミネラルを消費したためと考えられる。
図3に洗浄回数と完全緑化日の関係を示した。
洗浄回数が少ないほど、完全緑化日は早くなる。
付着ジュースの成分がシアノバクテリアの増殖を促進すると考えられる。
図4は洗浄回数と乾燥後/乾燥前の茎重量比である。
洗浄回数が多くなるほど、相対乾燥重量は低下した。
すなわち、洗浄回数が多いほど乾燥前の茎水分が多いことを示唆している。
写真6は乾燥茎をカッターナイフで削り取ったときの粉末の顕微鏡画像である。
いずれも整然と並んだ繊維細胞が観察された。
バガスの水浸漬放置によっても洗浄回数に関わらず、シアノバクテリアが増殖することが確認された。
浸漬したバガスの変化については私の知識と技術では良く分からなかった。
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