506.バガス置場の残渣を添加した糖蜜発酵廃液の脱色(最終) 2025年3月26日

 本節は第487節の続きで、このテーマの最終記事である。
 写真1は外観経過画像で放置経過にともない脱色が起こっていることが明瞭に示されている。


 図1は水添加前の重量、図2は水添加後の重量、図3は累積水添加量の経過である。
 累積水添加量はほぼ蒸発水分累積量と同じと考えて良い。


 図4、図5はサンプルの遠心上清を10倍希釈して測定したOD420nmの経過である。
 


 写真2は放置最終日(2025年3月22日)の沪液、沪液を抜いた後の瓶、沪過残渣および沪過残渣表面の画像である。



 表1は放置最終日の測定データの一覧である。


 写真33,4,5は沪過残渣の顕微鏡画像である。
バガスの繊維とシアノバクテリアからなっているが、シアノバクテリアが主体である。

 表2はOD420nmの低い順に並べた沪過残渣顕微鏡画像、沪液色、沪過残渣表面画像である。
 脱色性は顕微鏡画像によるシアノバクテリア細胞の形態には関係ないようであるが、沪過残渣の表面色とは大いに関係がある。
すなわちOD420nmの低いものは残渣表面が淡いオレンジ色で明るく、OD420nmの高いものは緑色で暗くなっている。


 図6は沪液重量比率、図7は沪過残渣、内壁付着物重量比率でサンプルにより大きな差があった。
 図8は沪液の電気伝導度、図9は沪液pH、図10は沪液のOD420nmである。
 沪液pHは中央部が低く、両端が高くなっていた。

 以下種々の因子とOD420nmの相関を見てみた。

 図11. 沪過残渣重量にはOD420nmが極小になる値がある。
 図12. 内壁付着物重量にはOD420nmが極小になる値がある。
 図13. 電気伝導度が高いほどOD420nmは低くなる。
 図14. pHが低いほどOD420nmは低くなる。

 図15.残渣増加量(最終残渣-初期添加残渣はOD420nmが極小になる値がある。これは図11,図12と同じである。
 図16.累積水添加量が多いほどOD420nmは低くなる。
 図17.残渣表面のT値(大きくなるほど明るい)とOD420nmには強い負の相関がある。
 図18.残渣増加量が少ない時OD420nmは低い。



以上の解析より以下のような結論が得られた。
①糖蜜発酵廃液の脱色は累積水添加量(累積水分量)すなわち太陽光が多くあたった場合に大きくなる。
②太陽光が多くあたるとシアノバクテリアの増殖量が増える。
③太陽光が多くあたるとシアノバクテリアフロックの色が明るくなる。これは活性酸素から細胞を守るための防御作用と考えらえる。
④最初想定したようにバガス置場に糖蜜発酵廃液を強く脱色する微生物がいるだろうという目論見はあたらなかった。
⑤結局は放置したサンプル瓶に太陽光があたりやすく、シアノバクテリアが多く繁殖しかつそのシアノバクテリアが活性酸素を多く出した
 場合に良く脱色されると言えよう。

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