524. バガス置場残渣による糖蜜発酵廃液の脱色沪液の自然蒸発 2025年9月9日

 第506節で得た脱色沪液を室内に放置し蒸発乾固するまで自然蒸発させた。
その経過を写真1に示した。


 写真2は風乾による蒸発乾固物の画像である。
           
 写真3は蒸発乾固物の顕微鏡画像である。

 表1に風乾開始時と終了時の状態を比較した。
 風乾乾固物の中心に白い斑点のあるサンプルには顕微鏡画像に定形の結晶粒子が認められた。
 白い斑点のないサンプルの顕微鏡画像には不定形の粒子が認められた。
 No.16だけはシアノバクテリアの細胞が認められた。


 表2は蒸発乾固物粒子の違いによる風乾開始時の指標を分類したものである。
 指標は①風乾開始時沪液重量 ②風乾開始時OD420nm ③沪液重量とOD420nmの積 である。

 表3および図1,図2,図3は粒子別の風乾開始時の指標の平均値を比較した。
 いずれの指標においても定形粒子と不定形粒子の間には大きな差はなかった。
 一方シアノバクテイアの場合はすべての指標が明確に大きかった。
 

 風乾経過を見るとNo,15とNo.16にシアノバクテリアが発生した。
 その2つのサンプルの風乾経過画像を示した。
 
 写真5はサンプルNo.15とNo.16の蒸発乾固物とその顕微鏡画像である。
No.15の主体は不定形の粒子であるが、シアノバクテリアのコロニ‐らしきものが見られた。
No.16には不定形粒子は見られず、すべてシアノバクテリアであった。
No.16はまだ完全には乾燥していないように見られる。


 No.16は初期の重量が大きく、OD420nmも高く シアノバクテリアが増殖するための栄養源が十分残っていたものと考えらえる。
 No.15はハエが混入したためにそれを栄養源としてシアノバクテリアの増殖を促したのではないだろうか。
 それ以外のサンプルは、もはや栄養源は残っておらず、かつ色素物質も少なくなり、精製された状態になっていたと考えらえる。
 それで、綺麗な結晶が析出したのである。
 
 研究日誌の目次に戻る