410. ビワノキ 2021年5月16日

 第273節に記載した「ある常緑広葉樹」は実は「ビワノキ」だった。近所の人が教えてくれたのである。
2019年の1月4日にこの木を伐採したのだが、その後残しておいた幹から芽が出て現在写真1のような状態にある。
 私はこの木の枯葉の色が大好きである。
 写真2は種々の状態の葉を並べて撮影したものである。
研究日誌第224節第225節では枯葉のホワイトリカー抽出液、炭酸ナトリウム水溶液抽出液の紫外可視吸収スペクトル
について記載した。



 写真3には切り残した幹から新しい芽が出て生長する経過を示した。



 写真4は葉が茂り、枝が発達したその後の経過を示したものである。

 写真5は写真4の続きであるが、2020年の10月25日に下部の枝を切り落とす剪定を行った。


 写真6は剪定してすっきりしたビワノキのその後の経過を示す。



 この木がビワノキであることを教えてくれた近所の人は「肥料をやれば実がなりますよ。」とのこと。
 今は実がなるのを待っていられないのでスーパーマーケットでビワの実を買って解体してみた。(写真7)

 種の表面はきれいな糖蜜色である。(写真8)



手元にある「身近な薬草」(解説:山口昭彦、植物撮影:会田民雄ら、1984年10月発行、婦人生活社)によるとビワには次のような効能があるとのことである。
 ①汗疹 ②湿疹 ③皮膚病 ④咳止め ⑤暑気あたり ⑥下痢 ⑦胃腸病 ⑧疲労回復 ⑨食欲増進 ⑩打ち身 ⑪ねんざ
主たる薬効は葉にあり、生薬名を枇杷葉(びわよう)と言う。

 文献1によればビワには多くのポリフェノール(フェノール酸とフラボノイド)が含有されいる。
その多くはサトウキビのポリフェノールと共通するものである。


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