481.黒砂糖の乾燥減量とカビ発生程度の関係 2024年9月10日
前節で本年度の異常に高い室温(エアコンなし)で保管した黒砂糖にカビが生えた原因は保管前の黒砂糖の乾燥が足らなかったためではないかと
推定した。
そこで、乾燥温度と時間を正確に設定できるフードドライヤーを購入し、乾燥減量(水分)とカビ発生程度に関係があるかを検討した。
写真1はフードドライヤーの写真である。
表1に各黒砂糖サンプルを60℃で乾燥したときのデータを示した。
図1、図2は乾燥減量の経過をバッチ(カビ発生程度)ごとに示した。
図3は9hr乾燥減量とカビ発生程度の関係を示した。
これより乾燥減量(水分)が多いほどカビ発生程度が高いことが示された。
カビの発生がなかったバッチの乾燥減量は2%以下であった。
表2は乾燥前後の黒砂糖表面の状態を示した。
外観には大きな差がないが、乾燥後は明らかに固くなっていた。
黒砂糖表面のカビをかきとって顕微鏡観察したが、黒砂糖の粒子が多くカビを判別するのは難しかった。
そこで黒砂糖表面にセロテープを貼り、カビを付着させたうえで、セロテープをスライドグラスに貼り付けて顕微鏡観察を行った。
その画像を写真3に示した。
今後の進め方は以下の通りである。
①カビの生えていない黒砂糖を分別し冷蔵庫に保存する。
②著しく多量のカビは生えている黒砂糖は廃棄する。
③ほどほどにカビが生えている黒砂糖は再溶解し、再生黒砂糖つくる。
*多量のカビが生えた黒砂糖は再生できない。
再生黒砂糖を用い、乾燥の程度を変えた黒砂糖サンプルをつくる。
これにカビ付黒砂糖を添加し、37℃でインキュベートし、カビの増殖がおこらない乾燥条件を決める。
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