530. キオビ納豆 2025年11月22日


 前節でキオビエダシャクの幼虫が納豆菌によりある程度分解されることを述べた。
 本節では大量のキオビエダシャクの幼虫死骸と納豆を混合して室内に放置した。
 最終目的はキオビエダシャクの幼虫を殺すバイオ殺虫剤を作ることである。

 写真1. 幼虫と市販納豆を混合して放置を開始した。
     虫が入らないようにサランラップで密封した。



 写真2. 1日に一度 ラップをはずしスプーンで混合することにした。
    混合後は再びサランラップでカバーした。

 写真3. 幼虫が次第に小さくなっていく。
  ラップをはずすとアンモニア臭がした。

 写真4.幼虫はさらに細かくなって行く。

 写真5. 10月11日にコバエの蛆(BBK残渣の放置写真7,8参照)がいるのを見つけた。
   ラップをはずした僅かなすきにコバエが入ったか、幼虫放置時に卵を生みつけていた可能性がある。
  蛆を殺すために電子レンジで500w*1分加熱した。
 納豆菌は耐熱性のある芽胞を作るので、この程度の加熱で死ぬことはない。


 写真6.幼虫はさらに小さくなり。ペースト状の液となった。


 写真7. ペースト化が進んでいく。

 写真8. アンモニア臭はなくなり強烈な発酵臭が出てくる。
 臭いの質としてはタイの小エビ発酵ぺ-スト「カピ」に似ている。


 写真9. 11月1日に発酵物の顕微鏡観察を行った。
 10月6日に室内放置を止め風乾に入ろうとしたがまたしても蛆が出たため、電子レンジで殺した。
 ラップをはずした僅かな時間にコバエが入ることは驚きである。


 写真10と写真11に発酵物の顕微鏡画像を示した。
 写真10は幼虫組織の破片であり写真11は納豆菌の細長い栄養細胞が見えた。


 この発酵物を「キオビ納豆」と呼ぶ異にし、写真12のように室内だ風乾した。
 虫が混入するのを防ぐために風乾中は不識布のカバーをつけた。
 図1は風乾中の重量経過である。

       

 写真13と写真14は風乾物の顕微鏡画像である。
 写真14の粒状体が納豆菌の芽胞と考えられる。


 キオビ納豆風乾物は密閉して冷蔵庫に保存した。
 来年キオビエダシャクの幼虫が発生するころに、この風乾物をシードとして大量の培養液を作り、幼虫に散布して効果を確かめる。
 培養液の栄養源としてはエビオスとグルコースを今のところ考えている。

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