491. 気温とサトウキビ葉の赤紫色化の関係 2024年12月25日


 2020年の5月には写真1に示すようにサトウキビの葉が赤紫色になった。
これほどの赤紫色になったのは母屋花壇のサトウキビを観察を開始してから現在までなかったことであった。
この現象に関係する記事は以下の通りである。
 第290節 紫色になったサトウキビの葉
 第291節 違った色のサトウキビの葉の抽出
 第292節 サトウキビ葉赤紫色部分の抽出
 第298節 紫から緑色に戻ったサトウキビの葉




 このような色変化に気温の変化が関係しているのではないかと考え、延岡市の年度別月次平均気温を調べ表1に示した。
 表2は各月の平均値を100%としたときの相対平均気温のデータであり、これをグラフ化したのが図1.(日平均)、図2.(日最高)、図3(日最低)である。
 この中で年度により大きな差が見られたのは図3の相対最低気温の変化であった。
 図3によると唯一赤紫色となった2020年は1月度が最も高く、4月度が最も低くなった。
 2019年12月~2020年1月は暖冬で、この冬は2019年に成長したサトウキビの葉が緑を維持していた。
 ところがいよいよ本格的な生長が始める4月は気温が低く、光合成における暗反応速度が低下したのではないかと考えられた。
 一方葉緑素は十分にあり、明反応速度は気温が低下してもさほど低下しない。
 そうすると活性酸素が過剰に発生するので、それを防除するために赤紫色色素をつくったのではないかと考えられる。

 図4は第2サトウキビ畑区画H6の5月上旬の葉色を年度別にに比較したものである。
 図5には葉のRGBの変化を図6には葉のR/GとB/Gの変化を示した。
 R/GとB/Gが大きいほど葉は赤紫色になっていることを示している。

 図7に各年度の月次平均最低気温と葉のR/Gの関係を示した。
 これによると3月度は両者に正の相関があり、4月に負の相関があることが分かった。

 図8は図7のR2からR(相関係数)を計算し月別に比較したものである。



図9は葉のR/Gと相対最低気温の関係を図10はB/Gと相対最低気温の関係を示した。
いずれも3月は正の相関が4月は負の相関が認められた。
相関の強さは3月>4月であった。




図11は各年度の4月-3月の最低気温の差の変化である。
2020年は4月と3月の差が最も小さくなっている。



図12は各年度の4月-3月の最低気温差と葉のR/Gの相関を示す。
強い負の相関が認められた。


サトウキビの葉が赤紫色になるのは3月が例年より暖かく4月が例年より寒いときに起こる
と言えるだろう。

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